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ベリアルの誕生日の宴

「……? え?」


 突然皆から『誕生日おめでとう』って言われてベリアルがかなり驚いているよ。


「ふふ。ビックリした? バニラちゃんとオケアノスに訊いたの。ベリアルの心が創り出されたのはいつ頃かって」


「……え?」


「天族のベリアルの誕生日じゃなくて、オケアノスから創り出された日がベリアルの本当の誕生日でしょう?」


「……! オレの……誕生日? そんなの誰にも祝ってもらった事……無かった」


「ベリス王子にベリアルの誕生日が今日辺りじゃないかって話したら、じゃあ無人島でお祝いをしようって言ってくれてね」


「……なんだよ……オレ……そんなの知らなくて」


「だってサプライズパーティーだもん。ヘスティアはお昼過ぎに来るって。さっきまで手伝ってくれていたんだよ?」


「ヘスティアが? そっか……」


「はい。わたしからのプレゼントだよ」


「ん? なんだ? 開けてもいいのか?」


「もちろん! だってベリアルの誕生日の宴なんだから」


「……オレが主役……オレ……うぅ……」


「ベリアル……泣かないで? わたしまで悲しくなっちゃうよ」


「……だって……嬉しくて……」


「これからは毎年お祝いをしようね」


「……うん。うん」


「それでは……今からベリアルの誕生日の宴の始まりですね」


 ベリス王子がいつもの作り笑顔でベリアルにプレゼントを渡しているね。

 まさかプレゼントは有料じゃないよね。


「うわあぁ! 何かな? 何かな?」


 ぐふふ。

 喜ぶヒヨコちゃんも激かわだね。


「それから、アマリリス。卵から孵ったお祝いです。リボンと愛らしいワンピースですよ。わたしにも孵りたての妹がいますから、これから仲良くしてあげてください」


 おお。

 アマリリスにもプレゼントを渡しているね。

 こっちも有料じゃないよね?


「うわあぁ! ぺるみ見てみろ! カッコいい剣のおもちゃだ! 盾もあるぞ!」


「素敵だね。すごく強そうに見えるよ」


 ぐふふ。

 かわいい。

 ぐふふ。

 かわいい。


「この剣でぺるみを守ってやるからな」


 わたしを守る!?

 ベリアルが!?


「……ベリアルゥ。うわあぁぁん! 嬉しいよぉ。グスン。ピオとか言っていたあのピヨピヨピヨたんがこんな事を言うなんてぇ……グスン」


「それを言うなよ! 恥ずかしいだろ!?」


「ぐふふ。恥ずかしがるヒヨコちゃんも激かわだね。興奮してきたよ」


「……だろうな。鼻血が出てるぞ」


「嘘!? うわっ! 嫌だ! ティッシュティッシュ!」


 こんな時に……

 わたしは本物の変態だよ。


「本当に、ど変態だな。ほら、ティッシュを丸めてやったから鼻に詰めとけ!」


「え!? 嫌だよ! 恥ずかしいから」


「いいから早くしろ! ほら!」


 あぁ……

 無理矢理鼻に詰められたよ。

 恥ずかしい……


「嫌だよぉ。取りたいよぉ」


「いいから、鼻血が止まるまで詰めてろ!」


 うぅ……

 恥ずかしい。

 でも、皆からのプレゼントを開けて嬉しそうにしているベリアルを見るとわたしまで嬉しくなるよ。


 これからは毎年誕生日のお祝いをしようね。

 もう二度と寂しい思いはさせないよ。


「ベリアル」


 バニラちゃんが花冠を持って空間移動してきたね。

 ベリアルへのプレゼントかな?


「バニラちゃんっ! えへへ。今日はオレの誕生日なんだな」


「ふふ。そうね。かわいいベリアル……お誕生日おめでとう。世界中で一番綺麗な花で花冠を作ってきたの」


 シロツメクサに似た花で作った花冠……

 確かオケアノスだった頃に、娘さんとかお孫さんに作っていたんだよね。

 今も毎日、桜の木の下に眠る聖女に供えているんだ。

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