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ぺるみに告白なんて無理だよ

今回はベリアルが主役です。

「そうなんだね。ハデス様のお父上は、なんとなくヘスティア様に似ていたかな。ほら、ぺるみ様とデメテル様は綺麗だけどかわいい感じでしょ? でもデメテル様は美しいっていう感じだから」


 確かにゴンザレスの言う通りだな。


「そうだな。今は分からないけど、遥か昔ヘスティアは天界の男達に大人気だったんだ。皆がヘスティアに振り向いて欲しくて必死だったんだぞ。ペルセポネ様も人気だったけどゼウスとデメテルに完全に守られてたから近づけなくて。だから、可憐で守ってあげたくなるっていうのかな? 遠くから見つめるだけで幸せ……そんな感じだったんだ」


「あはは。ぺるみ様は今とはかなり違ったんだね」


「そうなんだよ! あの頃は弱々しくて、花を摘む姿がすごくかわいくて。それなのに今は……怪力で、鼻血とよだれを垂らしながらグフグフ笑うんだ……絶対同一人物じゃないよ」

 

「あはは! 確かに全然違うね」


「でも……ちょっと安心もしてるんだ」


「そうなの?」

 

「あの頃のペルセポネ様は弱々しくて心配だったんだ。でも今は、やたらたくましくなったからな」


「そっか。ベリアルはペルセポネ様が好きだったの?」


 え!?

 好き!?

 好きっ!?


「えっと……」


 確かに好きだったけど……

 でも……

 オレは今のぺるみの方が……

 好き……?


「ベリアル……気持ちをぺるみ様に伝えてみたら?」


「ゴンザレス!? ダメダメ! 絶対ダメだよ!」


 だってぺるみにはハデスがいるし。

 ハデスはすごいんだ。

 なんでもできるし、強いし、差別とかしないし。

 怖いけど良い奴なんだ。

 オレなんかが勝てるはずないよ。


「オレはベリアルも素敵だと思うけどな」


「……え?」


「いつか……」


「いつか?」


「うん。いつか『あの時伝えておけば良かった』って思うなら今きちんと伝えた方がいいよ」


「ゴンザレス……?」


「オレは、ベリアルに後悔して欲しくないから」


「ゴンザレスゥ……オレ、恋愛とか良く分からなくて。マクスには恋愛マスターだなんて言ったけど本当は何も分からないんだよぉ」


「……そうだろうね。あの時のベリアルは……(酷かった……)」


「え?」


「ああ。いや、これからはオレがなんでも相談に乗るから」


「うん! すごく嬉しいよ! でも告白はしないかな。ぺるみと気まずくなりたくないからな」


「そっか。これからもずっと一緒にいるから気まずくなりたくはないよね」


「はぁ……オレがこんなに悩んでるのにぺるみはオレの気持ちなんか知らないで吸ったり撫でたりするんだ」


「お花さんと熊太郎のお嬢さんはすごかったよね」


「アマリリスだっけ? 魚族長の事が好きなんだよな」


「熊太郎が泣いていたよ。孵ったばかりの娘がもう嫁にいくって」


「オレも周りが見えないくらいの告白ができたらなぁ」


 勇気が出なくてオレには無理だけど……


「周りが見えないくらいの告白?」


「いや、違うな。オレはまだぺるみに真剣に向き合えていないんだ。誰にも取られたくないっていう感情になれていないんだよな。だからハデスに勝てないからって言い訳して逃げてるんだ」


「ベリアル……」


「……やっぱり告白は、やめておくよ」


「そっか……苦しくなったらいつでも言ってね」


「うん! ゴンザレスは優しくて頼りになるな。ありがとう」


「えへへ。じゃあ行こうか。無人島で遊べば気晴らしになるよ」


「うん!」


 よし!

 今日は無人島でいっぱい遊ぶぞ!

 そうだ。

 巨大な砂の城を作ろう。

 すごく立派なのを作ってぺるみに見せるんだ。

 きっと驚くぞ。

 もしかしたら上手だねって褒めてくれるかも。

 ……いや、違うな。

 よだれを垂らしながら頬擦りされるはずだ。


 よだれと鼻血さえ出さなければな……

 頬擦りとかは本当はすごく嬉しいし。

 でも、このパンみたいな翼で砂の城が作れるかな?

 うーん?

ベリアルの恋愛マスターの時のお話は

588話『 マクスは、女心がまるで分かっていないんだね(3)』

掲載日:2023年12月21日

に書いてあります。


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