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ベリアルはどんな姿でも激かわだよね

「ベリス王子! ちょっと! どういう事!?」


 第三地区で桃製造マシンからひたすら桃を出し続けているベリス王子に話しかける。

 無人島で無料なのは使用料だけで、食べ物とかは有料なんて酷いよ!


「モモッモモッモモォ……オォォ……」


 ん?

 桃製造マシンが聞いた事の無い声を出している。

 かなり疲れたみたいだね。

 

「おや? ぺるみ様。ちょうど良いところに。実はモモが出にくくなりまして」


「……もう出し疲れたんでしょう。かわいそうに……プルプル震えているよ」


「おや? 確かに震えていますね。ですが、創り物なのに疲れるのですか?」


「あのポセイドンが創った桃製造マシンだからね。普通じゃないんでしょう?」


「そうなのですか?」


「今どれくらい桃を出せたの?」


「そうですねぇ。二百くらいですね」


「二百か。コットス達も来る事になったの。だから追加で百五十個必要で」


「そうですか。ですが……モモが出てこなくて」


「仕方ないね。わたしが疲労回復の力を使うよ。桃を出す係りはわたしがやるよ。ベリス王子は他をお願い」


「……え? 手伝っていただけるのですか?」


「もちろんだよ。明日は皆でウェルカムフルーツを食べよう。絶対楽しいよ。それにベリアルの誕生日だし」


 あれ?

 何か忘れているような。

 って、今は急がないと!


「……はい!」



 二時間くらい経ったかな?

 とりあえず桃は出し終わったよ。

 他の皆は?


 おばあちゃんはアイスクリームを作っているね。

 ハデスは桃の皮を剥いて種を取り出している。

 すごく器用だよね。

 ハデスには、できない事がないんじゃないかな?

 吉田のおじいちゃんは桃にアイスクリームを詰めている。

 すごい連携作業だ。

 あれ?

 ベリス王子がいない。

 どこにいるのかな?

 さっきまでは桃を運んでいたけど。


「ぺるみ様。助けてください!」


 ん?

 ベリス王子が叫んでいる?


「ベリス王子? どこにいるの?」


「こちらです!」


「……? あ! ベリアル!?」


 ベリス王子がベリアルを押さえつけているね。


「ぺるみ様ぁ……このままではベリアルにウェルカムフルーツを全て食べられてしまいます……すでに三つやられました。もうダメです。手の力が……」


 今日の主役が自ら宴を台無しにしようとしている!?


「ベリス王子!? 大丈夫? って言うより……ベリアルはどうしたの!?」


「それが興奮状態で」


「興奮状態!? まさか……チョコレートの食べ過ぎじゃ!?」


「ぺるみ様……もうこれ以上は……無理……手の力が……」


「もう! ベリアル! しっかりしてよ!」


 ダメだね。

 全然聞こえていないよ。

 本能のままに動いているの? 

 アイスクリーム入りの桃を食べたくて仕方ないんだね。


「やれやれ。チョコレートを食べ過ぎて興奮したのか」


 ハデスがベリアルを闇の力で縛り上げたね。

 ……!?

 まだ桃を食べようとバタバタしている!?


「ベリアル! しっかりして!」


 ダメだ。

 こうなったら……

 木に縛りつけるしかないよ。

 ごめんね。

 もう日が昇っちゃうから時間がないの。

 第三地区の皆が起きてくる前に桃を無人島に運ばないといけないんだよ!


「仕方ないな。その辺りの木にでも縛りつけておこう」


 ハデスも同じ考えなんだね。

 おお!

 ハデスの闇に近い力でベリアルが木に縛りつけられたよ。

 誕生日の主役なのに……

 

 漂う生け贄感……

 なんだろうね。

 笑ったらいけないのに笑いが込み上げてくるよ……


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