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今回の会計は恐ろしい金額になりそうだよ

「じゃあ入ろうか。扉を開けるよ」


 手を伸ばすと……中から誰かが扉を開けた?


「ぺるみ様。いらっしゃいませ」


 ベリス王だ。

 すごく、にこやかに出迎えてくれたね。


「夜遅くにごめんなさい。皆寝ていたよね。ベリス族は皆、早寝だから」


「いえ。大丈夫ですよ? ささ、中へどうぞ」


 ベリス王はご機嫌だね。

 一歩店内に入ると生演奏が始まった。

 演奏しているのは人化しているベリス族だよね?

 いつ来ても素敵な内装だ。

 豪華だけど派手じゃないんだ。


「これは……全身が映る鏡! おお! わたしの美しい姿が頭から足先まで全て見える!」


「これは……見た事のない書物ばかりだ!」


 側付きの二人は商品に夢中になっているね。


「ぺるみ様。あの……こちらのベットは……? うさちゃん……ではないですよね?」


 ベリス王がやたら膨らんでいるベットを不審そうに見ているね。


「ああ。あのね? ハデスのお父さんなの」


「え? ハデス様のお父上?」


「うん。ずっとベットに居たいっていうか。掛け物にくるまってずっとベットで過ごしているの」


「ほぉ。なるほど」


「でもチョコレートを買いたいって言って、数千年振りにタルタロスから出てきたんだよ」


「チョコレートを……なるほど。では、ホットチョコレートはいかがですか? それから、ホワイトチョコレートと生チョコレートもありますよ? すぐにお持ちしましょうね」


 ベリス王はかなりご機嫌だね。

 ハデスは側付き二人と商品を選んでいるのか。

 うわあ……

 次から次に商品を買っているね。

 あの鏡の値段……

 金貨五十枚って……

 五百万円だよね?

 

「はい。お待たせいたしました。ささ、ホットチョコレートですよ? 少しぬるめに作りましたからね。ハデス様のお父上と、ぺるみ様もどうぞ。さあ、ベリアルも」


「うわあぁ! やったあ! ゴクゴク……うまあぁぁぁい!」


 ……!?

 ベリアル!?

 

「どうしているの!?」


 って……

 クロノスおじい様は掛け物の隙間から手を出してカップを受け取ったね。

 絶対に掛け物から出たくないんだろうな。


「『どうしているの』だ!? ぺるみばっかりチョコレートを食べるつもりだったんだろ! ずるいぞ!」


「え? いや、どうしてわたしがここにいるって分かったの?」


「それは、ベリス王がオレにもチョコレートを食べさせてあげたいって言ってくれたんだ。それでじいちゃんが迎えに来てくれてな。ゴンザレスとゲイザー族の皆もいるぞ? ほら、あっちでチョコレートを食べてるだろ?」


「え? ゲイザー族も? って!? あのチョコレートは……確か一箱金貨十枚の!? 何箱食べたの!? 空箱が山積みだよ!?」


「ベリス王が新作のホワイトチョコレートを出してくれたんだ! すごいぞ! 濃厚で口に入れるとすぐに溶けちゃうんだ!」


「まさか……ベリス王……さらに儲けを出そうとしてベリアル達を呼んだんじゃ……」


「ははは。深夜営業をするのですよ? それなりの儲けは必要ですからねぇ。人件費もありますし。深夜手当をつけなければならないでしょう?」


 さすがベリス王だよ。

 今回は一体いくら搾り取られるんだろう。

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