明日はそれぞれ予定があるんだね
ベリス王子が帰ると皆で夕飯を食べる時間になる。
「『うえるかむふるうつ』ってどんなんだろうなぁ?」
「素敵な貸し切り無人島って言ってたぞ? 旅行なんて久しぶりだなぁ」
「やっぱりお酒がスーって滑ってくるんか?」
「あちらのお客様からですってか? あはは!」
「(ベリアルには誕生日の事は秘密だからな)」
皆すごく楽しそうだね。
まぁ無人島なら皆が行っても大丈夫だよね?
第三地区の皆は何をするか見当もつかないから。
皆でベリアルのプレゼントを何にしようか考え始めたね。
すごく楽しそうだ。
「はあ……」
眠る時間になったから、うさちゃんが寝ているソファーごと幸せの島に空間移動してきたけど。
ハデスは魔王城に行っているしパパとママはハーピーちゃんと一緒にもう寝たみたいだし。
王子達は一旦国に帰ったから……
幸せの島は静かだなぁ。
それにしても、うさちゃんはどこに行くにもソファーと移動するんだね。
すごく気持ち良さそうに眠っているよ。
「ペルセポネ」
あれ?
この声は……
「ヘスティア?」
「ふふ。知恵熱は平気?」
「もうっ! 知恵熱の事を皆に話したでしょ!?」
「ぷっ! あはは! だってあまりにかわいかったから」
「恥ずかしくてまた熱が出そうだったよ」
「ふふ。はい。お詫びにこれをあげるわ」
「え?」
小さい箱を渡してくれたね。
かわいいリボンもついている。
「あとで開けてね。それから……」
「それから?」
「ハデスは奥手だから……」
「おくて?」
「抱きしめて耳を甘噛みしなさい」
「……? ん? 何? 耳を甘噛み?」
「ふふ。本当にかわいいんだから。じゃあ、良い夢を……」
……?
何だったんだろうね。
プレゼント……開けてもいいのかな?
……!
下着!?
しかもスッケスケだよ!?
まさか……
明日これを着けろっていう事!?
さっき吉田のおじいちゃんにふんどしを着けろって言ったけど……
この下着の方が面積が小さいよ!?
「ぷはっ!」
「……!? 吉田のおじいちゃん!? その辺にいるんだね!?」
「バレたか」
「んもう! バレバレだよ!」
「ははは。なあ、ぺるぺる」
「うん?」
「明日……お月ちゃんが……ガイアがタルタロスに行くらしい。ベリアルのぱーてーでプレゼントを渡したらすぐに行くって言ってたなぁ」
「え?」
「入門申請書は二日前に出さねぇといけねぇだろ? 明日がその二日目だ」
「……そう。おじいちゃんは今日もタルタロスに行ったの?」
「じいちゃんは毎日入門申請書を出してるからなぁ」
「クロノスおじい様は……どんな感じ?」
「お菓子を持って行くと喜んでなぁ。でもすぐにベットに潜っちまう」
「そっか」
「クロノスはあのままタルタロスに居た方が幸せかもしれねぇなぁ」
「……うん」
「なぁ、ぺるぺる」
「うん?」
「ありがとう」
「……え?」
「最後までガイアを信じてくれてありがとう」
「おじいちゃん……」
「じいちゃんは、これからずっとガイアを隣で支えていくつもりだ。だから……ぺるぺるは安心してハデスちゃんと幸せになれ」
「……うん」
「あんなに……赤ちゃんだったのになぁ」
「おじいちゃん……」
群馬でも天界でもずっとわたしを守ってくれていたんだよね。
涙が出てきたよ。
「まさかエッチな絵を見て知恵熱を出すとはなぁ……」
「……!? おじいちゃん!?」
「ははは。じゃあ、明日も早いからもう寝ろ。あぁ……知恵熱、知恵熱……ぷはっ!」
知恵熱って言いながら第三地区に帰っていった……
恥ずかしいったらないよ……
永遠にこの事で笑われるんだろうな。
もう忘れよう。
変に興奮して眠れなくなっちゃいそうだから。
明日おばあちゃんはクロノスおじい様達に会いに行くんだね。
ハデスが魔族になっていた間お菓子を冥界の門の前に毎日置いて、ケルベロスからおじい様に渡してもらっていたらしいけど……
数千年振りに会うんだね。
クロノスおじい様は心が聞こえるからおばあちゃんの気持ちは伝わっているだろうけど。
明日は目を見てきちんと話せるんだ。
遥か昔、そうするしかなくておばあちゃんが起こした戦……か。
あまりに長過ぎる時が経ったけど……
おばあちゃんとクロノスおじい様はこれからどうなっていくんだろう。




