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学術科の男の子は独特な雰囲気だね(3)

「オフロとは?」


 ん?

 人間には、お風呂じゃ通じないのかな?

 男の子の一人が尋ねてきたけど。

 なんて言えばいいのかな?


「えっと……温かいお湯で身体を洗ったり……何て言うのかな?」


「湯浴みですか?」


「湯浴み? そうそう。湯浴みだ。最後にしたのはいつ?」


「記憶にありませんね」


「はあ!? もう我慢できないっ! はい! 勉強おしまいっ!」


 これは無理矢理食事と湯浴みをさせるしかなさそうだよ。


「勉強は終わりません。生涯勉強です」

「この時間ももったいない」

「お遊びは終わりだ。さぁ、いちかけるよんはよん……」

「湯浴みなどしたら負けだ。今まで覚えたものが全て流れ出てしまう……掛け算が毛穴から抜け出る」


 この四人は……

 本当に困ったね。

 しかも微妙に目が合わないよ?


「もう分かった。はっきり言わせてもらうよ。……皆……臭いよ?」


「……え?」

「臭くなどない」

「勉強より大切な事などない」

「その通りである」


「髪はベタベタだし……そんなんじゃ女の子にモテないよ?」


「……な、なんてハレンチな」

「女の子……女の子……」

「モテる……わたし達は勉強を……モテる? 女の子……」

「女人……にょ……にん……」


 ……お年頃だからね。

 モテないとか言われるとショックだよね。


「女の子は清潔な男の子が好きなんだよ?」


「え?」

「賢いおのこが好きなのでは?」

「清潔……清潔とは……清らかで……ブツブツ……」

「にょ……にん……」


 おのこ?

 まあ、いいや。

 話を聞くようになってきたね。

 モテたくて勉強しているのかな?

 ちょっとかわいいかも。


「これは改造しがいがありますね」


 ん?

 ベリス王子?


「どうしてここに?」


「ぺるみ様の周りには商売が転がっていますからね」


「……本当に商売上手だね」


「ははは。最高の褒め言葉ですよ。さて、皆様。わたしは、とある国の王族です。まあ、王太子ですが」


「……カッコいい奴は嫌い」

「どうせモテるんだろうな」

「女人を不幸にするおのこ」

「キラキラして無理」


 この四人は……

 妬みが酷いね。

 ベリス王子のキラキラオーラに明らかに嫉妬しているよ。


「まあまあ、皆さん。このセッケンを使い身体を洗うと良い香りがして女性がうっとりすると有名なのですよ? そしてもうひとつのこちらのセッケンは髪をサラサラにします。さあ、今だけ特別に無料で……さあさあ、これを使って湯浴みをしてください」


 無料!?

 あのベリス王子が無料で物をあげるなんて……

 天変地異の前触れじゃあ……

 いや、違うね。

 これを手始めに色々売りつけるつもりだね。

 この男の子達は育ちが良さそうだから……


「でも、セッケンは使った事があるけど……肌がカサカサになったから」

「わたしもだ……」

「それは安いセッケンだからだろう。わたしの使ったセッケンはそうはならなかったぞ?」

「女人……良い香り……」


 ん?

 ベリス王子が四人をじっくり見つめているね。


「伯爵家、伯爵家、侯爵家。あなたは……うーん?」


 まさか……

 会話の内容で爵位が分かるの!?

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