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ドロドロの恋愛話? ~後編~

「うぅ……そのアルストロメリア王の弟は少女を愛していたのか。少女の幸せを願って小国に行かせたのか」

「だが、アルストロメリア王の弟は無事でいられたのか? まさか……」


 魔族の皆が悲しそうにしている。

 優しいからね……


「わたしも、弟のその後までは知りませんね。聞いた話ですから」


 ベリス王が知っているのは、ここまでなんだね。


 ……今の話からすると、アンジェリカちゃんのおじいさんがそのアルストロメリア王の弟っていう事だよね?

 この前聞いたおばあ様の話と似ているし。

 あれ?

 でも、アンジェリカちゃんのおじいさんの危ないところをシャムロックの船で助けたって言っていたような。

 それでおじいさんはリコリスに連れて行ってもらったんだよね?

 何があったんだろう?


「ですが、愚かなアルストロメリア王の最期なら知っていますよ? 他の三大国のマグノリアとリコリスとデッドネットルに粛正されて、まぁ処刑ですが……かなり恨みを買っていたようで処刑台に上がるまでの道で民から石を投げつけられ、身体中血でドロドロだったようですよ?」


 ベリス王……

 確かにドロドロの話だったね……


「その頃からの王はマグノリア王だけですね。人間の王は長く王位に即き続けるのは難しいようです」


 ベリス王の言う通りだね。

 お兄様は粛正なんてされないよね?

 心配になっちゃうよ。


「王子は、ずっと姉を捜し続けていたのかしら?」


 ヘラ……

 泣いているね。

 ヘラは優しいから……

(お父様以外には)


「あぁ……それなら、姉は生きてるってオレが教えに行ったぞ? 先代の船長との結婚が決まった時にな。もう何十年も前だ。それからは連絡はしていないが、シャムロックの弟は世界の果てを探す旅に出てるみたいだな」


 あれ?

 海賊の魚人族?

 いつもルゥのお兄様の側にいてくれる三人だよね?

 いつの間に来ていたんだろう?

 じゃあ、海賊の島におばあさんが王女だったって知っている人もいるんだね。


「すまないな。何かの宴だったか?」


「大丈夫だよ? 珍しいね。尋ねてきてくれるなんて。嬉しいよ?」


「あぁ……あのな? 困った事があって……って元の身体に戻った聖女様だよな?」


「ん? そうだよ?」


「天族なのに翼が無いぞ?」


「え? 出し入れしてもらえるんだよ?」


 さっきお父様が出してくれた翼を、もう一度ハデスにしまってもらったんだよね。


「出し入れ? 天族はすごいんだな。人間みたいに見えるな」


「困った事って? まさかお兄様に何かあったの!?」


「あぁ……ヘリオスは自分で解決するつもりらしいんだが、手助けしたくてもオレらがチョロチョロしてるのが、ばれそうになってて。でも、このままじゃヘリオスの立場が……」


「立場が? まさか……」


 処刑……とか言わないよね?


「それが……」


「何があったか話して? 知っている事を全部!」


 お兄様を処刑になんて絶対にさせないよ!

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