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小悪魔な天族の赤ちゃんとまじめ過ぎる魔族?

「今のままのあなたでいてください。では……今はお友達という事でどうですか? あなたが大きくなってまだわたしを好きだと思ってくれているのなら……その時にまた告白してください」


 魚族長が優しく微笑みながら赤ちゃんに話しかけているね。


「……! はい! 大きくなったらすぐにしますっ!」


 赤ちゃんは素直でかわいいね。

 子供らしい姿を見られて安心したよ。


「ぷっ! ははは!」


 魚族長が楽しそうに笑っているね。

 でも……

 もし魚族長が、容姿が原因で天族の父親に捨てられた息子だと知ったら……

 

 父親であるポセイドンは、これからどうするつもりなんだろう。

 それにしても、控えめなお花ちゃんと熊太郎の子だけどかなり積極的だね。

 ん……?

 お花ちゃんと熊太郎が呆然としているね。

 まぁ、孵ったばかりの娘がいきなりプロポーズしたらそうなるよね。

 言葉も普通に話しているし……

 それとも天族の赤ちゃんは孵ってすぐに話せるのかな? 


「お父様お母様。そういう事でわたしは絶対に天界には行きません。いつか必ず魚族長様のパートナーになってみせますっ!」


「あぁ……もうダメ……ぷっ」

「大丈夫か!?」


 お花ちゃんが座り込んだね……

 熊太郎も今にも倒れそうになっているよ。

 でも、今お花ちゃんが吹き出したような?


「ふふ。魚族長様……抱っこしてください」


「はは。あなたは甘えん坊ですね」


 すごい……

 魚族長が甘えられるのが好きな事を察知して、いきなり甘え始めたね。

 小悪魔……なのかな?

 絶対に魚族長をパートナーにしようとしているよ。


「……!? わたしの赤ん坊が……もう嫁に行こうとしている……」


 絶望している熊太郎の横でお花ちゃんが震えている……

 ん?

 違う?

 お花ちゃんは笑いを堪えているのかな?


「ぷっ……ふふ。あははは!」


 ……!?

 衝撃過ぎておかしくなっちゃったのかな?


「お花ちゃん……大丈夫?」


 驚き過ぎたのかな?


「大丈夫です。ふふっ。いえ……あの……彼が……遥か昔わたしに言った事を思い出しまして」


「え? 熊太郎が?」


「はい。ふふ。誰にも取られたくないから絶対に伴侶になると駄々をこねて。その後……抱きしめて欲しいと甘えてきて」


 おぉ……

 このおとなしい熊太郎がそんな事を?

 

「ええ!? そうだったかな?」


 熊太郎は忘れていたんだね。

 かなり恥ずかしそうだよ。


「わたし達の子は容姿はまるで似ていないけれど……心は彼にそっくりです。不器用なくらい真っ直ぐなところは彼そのものです。ふふっ」


「かわいいって言うと恥ずかしがるところは母親似だけど……ね」

 

「……! もう……恥ずかしい……」


 お花ちゃんと熊太郎が仲良くし始めたね。

 それを見て赤ちゃんが楽しそうに笑っているよ。


「お父様お母様。大切なのは容姿ではなく中身です。わたしはお父様とお母様に似られて嬉しいです」


「孵ったばかりの娘に教えられるなんて……お父様は情けないよ」


 熊太郎は、こんなふうに話すんだね。

 普段はあまり話さないし、敬語だから……

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