表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1025/1484

好きな気持ちが強過ぎて抑えられなくなる時ってあるよね

「こちらに来てからずっと……魚族長様の気配に……胸が高鳴って……あの……わたしが大きくなるまで……まだかなりかかるはずですが……パートナーにしてくださいっ!」


 赤ちゃんが真っ赤になりながら話しているけど……


「……はいぃぃぃぃいいいっ!?」


 魚族長が驚いて変な声を出しているね……

 確かに孵りたての赤ちゃんからプロポーズされたら驚くのも無理はないけど……


「容姿は赤ん坊ですが知能は数千歳です。ずっと卵の中で生きていましたから」


「え? え? え? いや……わたしのどこが……わたしは魔族ですよ? それにあなたは美しい天族の容姿ですし、とても賢そうです。わたしよりも天族のパートナーになった方が……」


「天族には良い印象がなくて……もちろんペルセポネ様達は素晴らしいですが、タルタロスでは酷い天族からずっと虐げられていましたから。それに……魚族長様の『音』は心地良くて」


「わたしの……音?」


「魚族長様にも聞こえているのではありませんか? 心の音が」


「……! それは……」


 心の音?

 心の声じゃなくて?


「初めてです。両親以外でこの音を聞いたのは……いえ。違いますね。タルタロスにいた頃には聞いた事がありました」


 ……?

 タルタロスでは聞いた?

 お花ちゃんと熊太郎からもその音がするの?

 じゃあ、コットス達からも?

 まさか……

 天族から生まれた容姿が違う皆から何か音がするの?

 魚族長は、ポセイドンと上位精霊のネーレウスの娘さんの子なんだよね。

 でも、そうなるとオケアノスの子孫であるベリス族やイフリート族からもその音がするんじゃないかな。

 卵ちゃんの時に何度か会っていたはずだよね?

 どうしてベリス王達からはその音がしないのかな。

 

「確かに……あなたやお花さん達からは独特な音が聞こえてきますが……」


「今はまだ赤ん坊ですが……わたしは魚族長様を他の誰にも取られたくありません! わたしだけの魚族長様でいて欲しいのです!」


「……え? あの……ですが……まだ会ったばかりですし……赤ん坊ですし。それを受け入れたらわたしは犯罪者では……?」


「では……成長すればわたしをパートナーとして考えられますか?」


 すごいね。

 積極的過ぎて魚族長が困っているのが分かるよ。

 幼女好きのウリエルだったら大喜びしそうだけどね。


「あの……申し訳ありません。やはり……わたしは魔族ですから。お友達ならまだしもパートナーとなると……あなたは美しい天族ですし……」


「魚族長様でないと嫌なのです! 孵ったばかりでおかしいと思われるかもしれませんが……運命を感じたのです」


「運命……あの……ですが……困ったな……」


「ははは! まぁ、そう急ぐな。愛しい奴を誰にも取られたくねぇ気持ちもよく分かるけどなぁ。あまり積極的過ぎると引かれちまうぞ?」


 おお!

 雪あんねぇ……

 大人の余裕を感じるね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ