表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1021/1484

知恵熱なんて恥ずかしいよ(4)

「ベリアルはアカデミーで、実はただかわいいだけじゃなくて、ちょっぴりエッチなヒヨコちゃんだって暴露されてもいいんだね!?」


「……!? お前……オレを脅迫するのか?」


 ぐふふ。

 うろたえるヒヨコちゃんも激かわだね。


「さあ、どうする? わたしは元々変態だと思われているからいいけど、ベリアルは違うよね?」


「……! そ……それは……」


「わたしの勝ちだね」


「……うぅ……口でぺるみに勝てるはずがなかったか。でも、第三地区にいる皆はもう知恵熱の事を知ってるからな」


「うぅ……確かに……」


「ふっ。オレの勝ちだな」


「じゃあ……わたしだけが恥ずかしいのは嫌だから、今から外に行ってベリアルの秘密を話しちゃおうかな」


「……くっ! 卑怯だぞ!」


「一緒に黒歴史を作ろうよ……ね? ベリアルゥ」


「嫌だ! お前だけが作れよ! うわあぁぁん! ばあちゃん! ぺるみがいじめるよぉ」


「ああ! またおばあちゃんに助けてもらおうとしているね!?」


 ベリアルが飛んで行っちゃったよ。

 

「……ペルセポネ。もう大丈夫か?」


 ハデスが微笑みながらわたしを見つめている。


「ハデスは呆れない? わたしが知恵熱を出して……」


「かわいいと思うが」


「かわいい?」


「ああ。世界一かわいいと思う」


「ハデス……」


「大丈夫だ。わたしと外に出よう。アカデミーに行きたいのだろう?」


「……うん」


「もし、ペルセポネを笑う者がいたらわたしが消してやるからな」


「……!? 消さなくていいよ!」


 ハデスなら本当にやりかねないよ。


「そうか? では、行こう。抱っこで行くか?」


「うん」


 ハデスの手がわたしの肩に触れると身体に力が入る。


 あれ?

 わたし……

 どうしたのかな?


「ペルセポネ……? どうした?」


「……分からない。でも……ハデスを見ると……ドキドキするの」


「……ペルセポネ。少しずつ大人になっているのだな」


「大人に?」


「大丈夫だ。ゆっくりゆっくり知っていこう。わたし達のペースで」


 ハデスが優しく口づけをしてくれる。

 最近はうさちゃんに邪魔されて全然していなかったよ。

 こんなに柔らかかったっけ……


「……って、うさちゃん!?」


 また、うさちゃんの前足が邪魔をしているよ。


「子うさぎ……お前……」


 ハデスが怒っているね。


「ガイチュウメ。ユルサン」


 うさちゃん……

 またハデスを害虫って言ったね。

 こんな事をハデスに言えるのは、うさちゃんくらいだよ。


「お前はずっとソファーで寝ていればよいものを……」


「コンドコソ、ケッチャクヲ、ツケルトキガ、キタヨウダナ」


「望むところだ!」


 この二人……

 また貝殻集めで勝負するのかな?


 はあ……

 仕方ないね。

 アカデミーには行きたいし、今部屋から出ないと間に合わなくなっちゃうよ。

 勇気を出すしかないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ