ベリアルとゴンザレスの恋の話なんてかわい過ぎるでしょ
「ねぇベリアル……」
ベリアルのかわいい寝顔を見ていたら気づいたんだよね。
「ん? なんだ?」
くうぅ!
首を傾げてかわいいねっ!
「言わせて?」
「ん? だから、なんだよ」
「ベリアルって寝ている時に目が半開きで白目になるけど……鳥って白目があるのかな? すごくかわ……」
「……は!? お前……オレは白目になんかならないっ! オレは寝顔もかわいいんだっ! もう寝る!」
あぁ……
ベリアルが飛んで行っちゃった。
どうして怒ったんだろう?
すごくかわいい寝顔だねって言いたかったのに。
「ぺるみ……朝になったら謝るんだぞ?」
おばあちゃんが苦笑いしているね。
「おばあちゃん? ベリアルはどうして怒っちゃったの?」
「うーん。恥ずかしくなったんだろうなぁ」
「ええ!? 超絶かわいい寝顔なのに!?」
「寝てる時は無防備だからなぁ。自分じゃ見えねぇし……」
「すごくかわいいのに……」
「そうだなぁ。ぺるみ……とりあえず今日はもう寝た方が良さそうだなぁ」
「今から謝りに行ったらダメかな?」
「今からか? まだ起きては、いるみてぇだけど……」
「謝ってくるよ。すぐだからっ!」
おばあちゃんの家にあるベリアルの部屋の前に着くと、ゴンザレスとベリアルの話し声が聞こえてくる。
「……るみ……どうして……す……」
「ぺ……鈍感……」
ん?
よく聞こえないけどわたしの事を話しているのかな?
わたしが鈍感?
そんな事ないと思うけど……
引き戸に耳をつけて、もっとよく聞かないと……
「だいたいぺるみはいつからあんな、ど変態になったんだ? 初めて会ったルゥの頃はもっとまともだったんだぞ?」
「あはは……そうなんだね。そんな……変態なんて事は……ないかな? あはは……」
この感じ……
ゴンザレスはわたしが盗み聞きしている事に気づいたんだね。
さっきまではわたしを鈍感だって言っていたのに急に庇い始めたよ。
「なぁ、ゴンザレスは誰かを好きになった事あるか?」
「え?」
……おお!
恋の話!?
聞きたい!
さっきは弟さん達の話を聞けなかったから今度こそは聞きたいよ!
「ゴンザレスは、かわいいから告白とかいっぱいされたんだろうなぁ」
「え? オレはかわいいけど……でも告白はないよ。ゲイザー族はずっとひっそり暮らしてきたから」
なるほど、なるほど……
ぐふふ。
この会話……かわい過ぎて堪らないね。
「じゃあさ、女の子を好きになるってどんな感じなのかな?」
「やっぱり……ドキドキしたりするんじゃないかな?」
くうぅ!
堪らないねっ!
「よく言うだろ? 甘酸っぱいとかさ……あれってイチゴとどっちが甘いのかな?」
「うーん……やっぱりイチゴの方がおいしいんじゃないかな?」
イチゴとどっちが甘い!?
あぁ……
興奮し過ぎてクラクラしてきたよ……
「ん? なんだこれ? なんかキラキラしてるぞ?」
「え? これは……ぺるみ様の神力……?」
……え?
わたしの神力が勝手に溢れ出している!?
うわあぁ!
盗み聞きしていた事がベリアルにばれちゃうよ!
空間移動で逃げようっ!
「ふぅ……危ない危ない……」
とりあえず広場に空間移動したけど……
「……ぺるみ……盗み聞きはよくねぇなぁ」
おばあちゃんにばれちゃった。
怒られるかな?




