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ベリアルはかわいいだけじゃなくて天才だよね

「ははは! ぺるみは何をむくれてるんだ?」


 第三地区の広場に着くと、椅子に座っているおばあちゃんが笑いながら話しかけてきたね。


「だって今からおもしろくなりそうだったのに帰って来ちゃったんだもん。ハデスとお父さんは慌てて魔王城に行っちゃうし」


「そうか、そうか」  


 あれ?

 おばあちゃんの膝でベリアルが寝ているね。


「ベリアルは寝ちゃったんだね。もしかして、わたしを心配してずっと水晶で見ていてくれたのかな?」


「ああ。ドラゴン王が攻撃したところは見てなかったから安心しろ。他の皆はさっき家に帰ったぞ」


「そう。夜ふかしさせちゃったね。でもベリアルは、ああいうのは苦手だから見る前に寝ちゃって良かったよ」


「ん……? あれ? ぺるみは帰ってたのか?」


 ベリアルが目を覚ましたね。

 話し声で起こしちゃったかな。


「うん。ずっと起きていてくれたんだね。ありがとう」


「……だって……お前が変な事をしそうだから……」


「ふふ。本当は心配してくれたんだよね?」


「……それは」


「恥ずかしがらなくていいんだよ? ぐふふ。堪らないね。ちょっと吸わせてみてよ」


「……お前!? やっぱり全然心配なんかじゃないっ!」


「んもう。素直じゃないんだから。ぐふふ」


「もう寝る! お前なんか知るか! バーカバーカ! バカぺるみ!」


「あ、ちょっと待って? ひとつ訊きたいんだけど」


「ん? 変態的な事じゃないだろうな」


「違うよ。さっきベリス王子の弟さん達がね? えっと……確か『初体験』とか『魔性の女』? とか言っていたんだけど。ベリアルには意味が分かる?」


「ん? ハツタイケントカマショウノオンナ? なんだ? それ」


「やっぱり分からないよね。ハデスもお父さんも知っているのに教えてくれないんだよ?」


「……それで、むくれてたのか」


「だってだって、わたしも知りたいんだもん。これからおもしろくなりそうだったのに……」


「そうか……うーん? ハツタイケントカマショウノオンナ……なんだろうな? 聞き間違えたんじゃないか?」


「……そうなのかな? 確かに初体験とか魔性の女って言っていたんだけど……」


「ぺるみは、そそっかしいからな。うーん……ハツタイケントママ、ショウノオンナとか?」


「ん? はつたいけんとママ、ショーの女?」


「それだ! ハツタイケントって奴の母親がショーをするんだ!」


「うわあぁ! ベリアルは天才だよっ! ……でも……はつたいけんとって誰?」


「……そりゃ、ベリス王子の弟の友達だろ?」


「なるほど! ああ……スッキリした。これでぐっすり眠れるよ」


「良かったな。オレも眠い……今日は幸せの島で寝る日か?」


「うん。最近順番が変わるからよく分からなくなってきたけどね」


「そうだな。色々あったからな。じゃあ、早く寝ろよ?」


 えへへ。

 ベリアルは優しいね。

 しかもかわいくて賢いなんて……

 世界一素敵なヒヨコちゃんだよ。

 

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