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ベリス王女の葬儀とドラゴン王(5)

「ダメだよ。お父さんが攻撃したら、ばあばが死んじゃうよ」


 古代の闇の力はすごいんだから。


「大丈夫だよ。加減するから」


 お父さんは、そう言うけど加減してもすごいんだよ……

 

「ダメダメ! わたしがお願いするから! ばあば! もう終わりにしよう?」


 ……ダメだね。

 興奮していて全然聞こえていないよ。

 そうだ……


「ばあば! 弟さん達がね? ドロドロの恋愛話を知っているって!」


 これでどうだ!


「……え? ドロドロの……? あらあら、それを早く言ってよ。うふふ。じゃあ……肉体的攻撃はこれくらいにして……さあ、ベリス王、椅子を持ってきて! 今から三人の王子達の過去の恋愛を洗いざらい吐いてもらうわよ? うふふ。あ、お酒も持ってきてね? 高級なやつがいいわ? ほら、ぺるみは早く怪我を治して」


 ばあば……

 すごく嬉しそうだね。


「ありがとうございます。ありがとうございます……」

「おかげさまで命拾いしました……」

「死ぬかと思ったぁ……」


「弟さん達……それは違うよ?」


「違うとは?」

「これで助かったんですよね?」

「これ以上の事は起こらないはずですが……」


「今までのは肉体的攻撃だよ。今から始まるのは精神的攻撃……心をえぐられるような言葉をぶつけられるから気をつけて。ちなみにわたしは身体の傷は治せるけど心の傷は治せないから……頑張って!」


「……え?」

「それは?」

「今から何が始まるんだろう……?」


「うふふ。じゃあ……右から順に……初体験はいつかしら?」


「えええ!?」

「嘘だろ……次に訊かれるのはわたし……」

「そんな話は……親が聞いているんですよ!?」


「あらぁ? じゃあ……さっきの肉体的攻撃に戻ろうかしら?」


「うわあぁ! 答えますっ! あれは……確か……」


「あらあら。で? うふふ。お相手は? もっと強いお酒はないの? どんどん持ってきて」


「お相手!? えっと……うわあぁ! 親が聞いているのにぃぃぃい!」


「うふふ。若いっていいわねぇ」


「次はわたしが訊かれる……怖い……」

「その次はわたしが……」


 ……とりあえず……なんとかなった……のかな?




 十分後



「はあ!? どうしてお前があの子と!?」

「お前……いつの事だよ!?」

「ちょっと待て!? 皆あの子が初体験の……? 初めてだって言ってたのに……」


「あらあら。うふふ。これはなかなか楽しくなってきたわね。魔性の女……いいわよ、いいわよ。それで? もっと楽しませて?」


 ……?

 魔性の女?

 初体験?

 よく分からないね。


「ねえ、お父さん。魔性の女って何? 初体験って何?」


「ぺるみっ! それは……あ! 早く帰って寝ないと……アカデミーで居眠りしたら大変だっ! ね? ハデス!」


 お父さんが明らかに慌て始めたね。


「ペルセポネ……魔王様の言う通りだ。早く寝なければ。では我らは、これで」


 ハデスも動揺しているね。


「え? まだもう少しだけ……これからもっとおもしろくなるんでしょう?」


「もう帰ろう。ハデス、空間移動を! 急いで!」

 

「え? お父さん!? まだ、もう少しだけ……」


 あぁ……

 空間移動で第三地区に来ちゃったよ。

 もっとおもしろい話を聞きたかったのに……

 

 初体験と魔性の女だっけ?

 後で誰かに教えてもらおう。

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