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6:初めてのラグビー

だいぶあきました。


読んでくださってた人は少ないかと思いますが、すみませんでした。


これから頑張ります。

「じゃあ次いくぞー。『〜しているのを感じる』というのは動名詞を使って、…」


今は授業中。六限の英語の時間だ。


「…で、この場合は動詞が『heard』だから、……」


担当は担任の桃本先生。最初はいいかげんな人だと思ったが、意外と授業はわかりやすい。


「はいじゃあこの訳を十七番のやつ!」


「……」


……なかなか名前を覚えようとしてくれない所がやっぱりいいかげんだけど。





って僕十七番だった!?

「は、はい!」


慌てながら返事をする。

「えっと…『ケンは叔父が流暢な英語をはなすのを聞いて――…」










「キーンコーンカーンコーン……」


授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。


「じゃあ今日はここまで―。気をつけてかえれよ―?最近不審者おおいからな―」


「きりーつ」


「気をつけ」


「礼」


「「ありがとうございました―」」



ガヤガヤ…


放課後になった。


とたんに教室がさわがしくなる。



おしゃべりを始める人。


そうじ当番の仕事をする人。


先生は「ぃやっと終わった―」と言って教室を出て行った。


そして、僕のように運動部の仮入部にいくために体操着に着替える人。



「あれ?はるか着替えなんかしてどうしたの?」

「あ、香織」


近くを通りかかった香織は、僕が運動部へ行くことに驚いたようで、目を丸くしている。


「どうしたも何も、昨日ラグビー部の人に捕まっちゃって、仮入部にいくことになっちゃったんだ。」


「へぇ〜、まさかとは思ったけど、やっぱりね。

……ホントにはるかは断れない性格なんだから。

部員が1年生を見つけて勧誘するのが当たり前なら、興味がなければ断るのも当たり前よ?」


香織はあきれたように言った。


「でもそこがはるからしいというか…」


「……まぁ今日だけだからいいんだ。


ところで香織はどうするの?」


「わたしは昨日バトミントンいったから、今日はバレーにいくつもり。」


香織はスポーツ全般が得意なので、入る部活は部の雰囲気などで決める気のようだ。


「そっか、じゃあがんばってね」

「うん、はるかも『明日もこい』って言われてもちゃんと断るんだよ?」


「はいはい」


「じゃ、」


香織は着替えるために更衣室へむかった。


「さてと、じゃあ行くか…。」










グラウンドには、9人の1年生(体操着の人)と、


えっと……1、2、3…


15人のラグビー部の人がすでにきていて、パスなどをしていた。


「お、篠原。来てくれたか」


あ、新井が僕を見つけてこっちにきた。


「こんにちは。今日はよろしくお願いします。」


「おう、こちらこそな。……じゃ、まずパスしてみっか。」


ラグビーボールが差し出される。


「はい。」それをうけとり、初めて持った楕円球の感触を確かめる。


これがラグビーボールか…


「両手でしっかり持って、下投げでまっすぐ放るんだ。…さ、やってみ?」


「あ、はい」


ボールを新井さんにむかって投げてみる。


『ぱしっ』


「お、うまいじゃないか」

ボールは先がブレはしたものの、案外ねらったところに飛んでいった。


「じゃ、次。キャッチのしかたな。…ちょっと自分の首を軽く締めるようにして…」


「こうですか?」


「あぁ。で、そのまま前にもってくる。」


目の前に出すと、両手は三角形をつくっていた。


「それが、キャッチする時の形だ。『ハンズアップ』って言って、基本中の基本な。」


「わかりました。」


ほれ、と新井は僕にむかってパスをした。



……すぽっ、とハンズアップした手にボールがちょうどはまった。


「そーそー」


もう一回投げ返す。


「ラグビーボールってキャッチしにくそうだと思ったけど、意外と簡単なんですね。」


「あぁ。…でもな、いつもとりやすいパスがくるとは限らないぞ。ほれっ」


さっきはまっすぐだったボールが、今度はぐちゃぐちゃに回転しながら飛んできた。


「うわっ」


それをとらえることができず、おとしてしまった。


「な?だから相手の取りやすいパスをすることが大切なんだ。」


「なるほど。」


「うん。じゃ、あそこでランパスしてる奴らん所はいってきな。」


「あ、はい」








……僕はある5人組の所にいれてもらった。


1年生は僕をいれて3人になる。


「よし、じゃあゆっくりいくぞー。パスをもらう時は相手より前にでないようになー」


横に並んだ6人の列がそのままゆっくり前に進む。


「はい右」


「はい俺だ」


次は僕のばん。


「篠原、『右』とか、『俺』とか、相手の名前を呼んだりしてボールをもらうんだ」


「あ、はい。…じゃあ、『右』ですっ」


「ほいっ」…ぱしっ。


「はい篠原」右からコールがかかり、パスをする。


……っと、走りながらパスするのは難しいな。



「あれ、そういえば篠原って、同じクラスじゃないか?」


「?」


突然となりをはしる1年生に話かけられ、そっちをむくと、確かにクラスで見た顔だった。


名前はわからな……いや、体操着の刺繍でわかる。「藤沢」というらしい。

「そうだね。同じクラスだ」


「篠原、パス上手いな。経験者?」


「え?いや、初めてだよ。新井さんに昨日捕まっちゃって来ることになったんだ。」


「そっか。…でも初めてにしてはすごい上手いと思うよ、篠原」


「そうかな?」


「俺は小5からやってるから分かるよ、」


「でも入部する気はないから上手くても意味ないよ。」


「そうなのか?残念だな……」










それからランパスを何往復かして、休憩にはいった。


「名字はこれで分かるけど名前はまだ言ってなかったな。俺は『藤沢健太』ってゆうんだ。」


「僕は篠原悠。…『はるか』でいいよ。」


「じゃ、俺も『けんた』で。」


うーん。


なんか知り合いが増えるのってあんまり好きじゃないんだよな。


でも同じクラスならいずれそうなるだろうからいっか。



「ラグビーは楽しいよ。はるかも今日で気が変わるかもしれないぜ?」


「楽しいかもしれないけど、僕には無理だよ。運動むいてないんだ。足も遅いしさ。」


ホントに鈍足なんです。

50メートルに8秒かかるくらい。


シャトルランは100回はいくけど、瞬発力系、筋力系の体力テストはほとんど5点いかない。



「そんなの関係ないって。一見無理そうに見えても、誰にでもできるのがラグビーなんだよ」


「でも…」



なんかいってることが新井さんみたいだな。


僕にもラグビーができるってゆうのは、どうにも信じられないんだけど。


だってそんなにぶつかり合うスポーツを非力な僕がやったら、ぶっ飛ばされること間違いなしじゃないか。



「―まぁ、やりたくないってゆうなら無理には言わないけどな。」



『ピーッ』


とそこで笛がなった。


「よーし、じゃあタッチフット始めるぞー。」


新井さんが声をかけ、

部員と一年生たちが集まる。


「部活動紹介の時にやったからだいたい分かると思うが、一応説明するぞー」



――――――――――――


※ここからはタッチフットの説明です。飛ばしても構いません。



タッチフットとは、タックルの代わりにタッチをすることでディフェンス(以後DF)をするラグビーである。


タッチされたボールキャリアーは、その場で止まり、ボールを持ったまま軽く蹴ってからプレーを再開する。(パスかラン)


何回タッチしたらターンオーバー(DF側がボールを得ること)という数を決めておく。


また、ノックオン(ボールを前に落とすこと)やスローフォワード(ボールを自分より前に投げること)などの反則をしてもターンオーバーとなる。



DF側はタッチして止まったボールキャリアーよりも前にでてはいけない。(その線をオフサイドラインという)


相手がボールを蹴り、プレーを再開したときにオフサイドラインは解消され、DFは再び前にでてよい。


アタック側(ボールを持っている側)は相手のゴールラインの(インゴールという)にボールをつけたらトライ。点が入る。


アタック側もDF側もコミュニケーションを取り合い、工夫すれば、いろんなプレーができる。


そこが面白いところであり、タッチフットは無限の可能性を秘めた遊びなのだ。(ちょっと大げさ)


――――――――――――


「――というわけだ。

じゃあ2チームに分けてやるぞー」



















僕とけんたは新井さんと同じチームになった。



「じゃあ俺らがマイボー(アタック)からな。」


「えー、ジャンケンで決めましょうよー」


2年生らしき部員が愚痴をいう。


「やかましい。俺はアタックがしたいんだ」


「うわーなんて自己チューな」


「いくぞ―篠原―」


「無視!?」







……初めてやる「タッチフット」に僕は少し、いや、かなりワクワクしていた。


何故かわからない。



僕は体育の時間には感じない、「スポーツに対する欲求」のようなものがあるだろうか。




今日しかない一度だけの体験だから、「純粋に楽しもう、」と思った。

ラグビーの説明や描写はめんどうなら飛ばして読んでください。


さて、初めて運動部の中に入ってスポーツをするはるかに、どんな変化があるのでしょうか。

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