2:新しい教室
「ガヤガヤ」
教室に入ると、だいたいの人は席について新しい友達に話しかけ、
あとは中学校が一緒の友達と話している人がいた。
「うわっ、なんか雰囲気が全然違うわね…」
「うん、中学校よりもかなり落ち着いた感じだね。」
「よし、『友達できるかな』っていう不安をさっさと解消するためにも、まずは明るい挨拶からいくわよ」
香織は「それじゃ」といって自分の席に行ってしまった。
僕も緊張してるけど、みんな『友達作りたい』って思っているはずだ。
「よし、僕も挨拶から……」
座席表を確認し、自分の席に行く。
……すると、僕の席の周りはまだ来てない人が多く、隣りに勉強している女の子がいるだけだった。
「…隣りなわけだから、喋れないとまずいよな」
そう思って勇気を出す。
「お、おはよう!」
「………」
あ、あれ?
反応がない。
なんかちょっとビクッと動いたように見えたけど……
自分が言われたと思わなかったのかな?
「………」
沈黙が続く。
どうしよう、もう一回言おうか。
「………(でも、これ以上言ってさらに反応がなかったら周りに変に思われてしまう……)」
まず無理やり口を聞かせるのは止めることにして、黙って席についた。
授業中にでもさり気なく質問とかする形で話しかけて、会話できるくらいになっておけばいっか。
「ふう……」
せっかく勇気を出したのにうまく行かなくてちょっとへこんだ僕でした。
「キーンコーンカーンコーン…」
チャイムがなると、みんな席についた。
そろそろ担任の先生が来るかな?
(〜十分後〜)
「ざわざわ……」
あれ?来ないな。
おかしいな。隣りのクラスからは先生の声が聞こえてる。
うちのクラスにももう来てもいいはずだ。何かあったのかな。
もう少し待つか。
(〜さらに十分後〜)
「ガヤガヤ……」
……来ない。やっぱり何かあったのかもしれない。
もうみんな席を立ってしまっている。
「ねぇハルカ、もうすぐ入学式の時間よね。」
「え?……あ、ほんとだ。他のクラスはもう移動し始めてる。」
「やばいわよね、それ」
「うん、やばいね」
「どうする?」
「どうするもこうも……」
「えー、新入生の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。皆さんは………」
……結局先生は来ず、僕たち二組は自分たちで体育館に移動し、今に至る。
入学式とかって色んな人の話が長くて退屈だな。
…うん、寝よう。…………………………ぐぅ。
(↑いつでもどこでもすぐに寝れる人)
「ごめ――ー−ーん!!」
ビクッ!!
入学式が終わり、教室で待機していると
隣りのクラスから女の人の大きな声が聞こえた。
「遅れちゃった――。いやー、いきなり自転車パンクするんだもん、困った困った――」
……?まさか。
「えっ?ここは三組だって?……………あっ!!」
……やっぱり。
「間違え……」
ドダダダダダダダダ……ガラッ!!(二組教室に入ってくる)
「たー―――――!!」
ビクビクッ!!
スタスタと歩いて女の先生が教壇に立つ。
「えー、…コホン。もっかい言い訳するのは面倒なので、、、、以下略!!」
え、えぇー……
なんていい加減な。
「ということで、今日は授業は無いので、終わり!!……あ、この無駄に大量に出てる連絡プリント、ルーム長配っといてね―」
しかも略しすぎ!!
「じゃ!!私は眠いので、帰ります!」
ガラッ…
いやほんとに帰った!?
……と思ったら、廊下から男の人の声がした。
「あっ!桃本先生!また遅刻しましたね!?」
「げっ、教頭……………せ、先生。」
「今日という今日は許しませんよ!入学式という大事な日に!」
「いやいやいや!今日はちゃんと理由があるんだよ!……ですよ」
クラスのみんなは扉側に行って様子を見ている。
他のクラスの生徒も顔を出している。
……あっ、先生が来て教室に戻された。
「自転車が突然パンクしたんですよ!それでもうめっちゃ頑張ってそのままこいだんですけど……」
「もともと間に合う時間に起きてないから、さらに遅刻したと。」
「そうそう。また目覚ましを裏拳でぶっ壊しちゃってさー………………ってしまった!?」
「やっぱり寝坊したんじゃないですか!!」
「いやいや!私は悪くないんだ!この手が悪い!」
「―あーもう、校長先生に頼んでクビにしてもらうしか―――」
「えぇ!?どうかそれだけは―――
ガラッ
あっ、戻って来た。
「……これ以上ちゃんとやらないとホントにクビにすると言われたのでちゃんとやりま―す。あの教頭うざいな―もー」
シーン…
「はい、今日から二組の担任やります、『桃本
久美 (もももと くみ)』です。まーよろしくね?」
シーン……
「何静まり返っちゃってるのよ―?…あー、『あんたホントに先生なの?』とか思ってるわね?」
はい、思ってます。
「大丈夫、授業はちゃんとやってるから。あ、ちなみに教科は英語ね?」
なんか(いろんな意味で)すごい先生にあたったゃったな……
「じゃ、名簿1番の君!ルーム長けってい!」
ホントに大丈夫かこの先生…?
僕はこの先が不安になった。
今回はコメディ要素がはいりました。
基本的にはシリアスな話にしようと思っているのですが…