初めてのデート……?
33,333PV記念です。
今回は景介と舞菜(&貴斗)の初デート?の話です。
「ん?……またか。」
ポケットの中で震えたケータイを見て、俺は見慣れた文字に眉を寄せた。
水輿舞菜。俺の彼女だ。今日も今日とて、メッセージアプリに連絡を入れてきたようだ。
『会長!』
「なんですか。」
『わ、珍しい。すぐ返事が返ってくるなんて。
この前、初音ちゃんが茶戸先輩と勉強会したんですって。
私達もしませんか?』
「勉強会ですか?
若がお嬢となさってるのはテスト勉強だったと思いますが、なにか分からないところでもあるんですか?」
「景介?どうしたの。」
「あ、申し訳ありません。水輿さんからメッセージがありまして。取るに足らないものなんですけど。」
「えー、どんなこと話してんの?」
一仕事終えた若が、無邪気な顔で俺の持つケータイを覗き込んでくる。
つい1分前まで襲撃してきた奴等を楽しそうな顔で殴りつけていたのに、もう切り替えられたようだ。さすが若。
「テスト勉強?なんだ、中間テストの?景介たちもやるの?」
「えぇ、おそらく。このままやるという方向で話がまとまりそうです。」
「なら一緒にやる?初音に聞いてみるけど、いいよ。舞菜ちゃんも大勢でやったほうが楽しいでしょ。」
「よろしいんですか?ありがとうございます。正直、2人きりで彼女を相手しきれるか不安でもあるので。」
若から心強い許可をもらい、俺はさっそくその旨をメッセージで送った。
ほんとに、彼女を1人で相手するのは、俺にはまだハードルが高い。
「若から一緒にやってもいいと許可をいただきました。」
『ホントですか?!やった。
いつやりますか?』
「若、次回の勉強会にご一緒させていただいてもよろしいですか?」
「オッケー。じゃあ、来週の火曜に俺の教室で。ついでに駿弥も呼んじゃおー。」
嬉々として駿弥に連絡を入れ始めた若の隣で、俺も返事を返していく。
「では、来週の火曜に若と私の教室で行いましょう。駿弥も誘うので、3人で教室で待っててください。」
『分かりました!よろしくお願いします!』
勢いのいい返事を返し、最後にお辞儀をしたイヌのスタンプを送ってきて、彼女からのメッセージは途絶えた。これ以上何も送られてこないのを確認して、俺もメッセージアプリを閉じる。
勉強会。水輿さんと交際が始まって1ヶ月半、特に恋人らしいことをしてこなかった我々にとって、初めてのそれらしい交流なのかもしれない。あれから特に何かをしてあげたわけでもないから、水輿さんも行動に移してみたくなったのか。
「景介。駿弥からもオッケーもらったし、5人で勉強会頑張ろうね。」
「はい。有意義な時間にしたいものです。」
水輿さんが勉強をしたいと言って開くのだ。なにか聞きたいところでもあったのかもしれない。一応暫定彼氏として、先輩として、そして若の側近としても、聞かれたことには万全に応えたい。2年生のこの時期はどんな単元をやっていたんだったか。少し復習しておこう。
33,333PVありがとうございます。
今回は、景介と舞菜の初めての恋人らしい交流についてのお話でした。
もちろん、舞菜ちゃんはこれを初デートとは認めませんが。
2人の初デートについては、本編で改めて書きます。(今書いてるところがちょうどそのパートです)
次回は35,000PVを予定しています。
駿弥と貴斗のお話を書こうと思っています。