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crazy everyday 彼らの日常  作者: こじか
7/15

貴斗さんとのデート

30,000PV記念です。

今回は貴斗と初音のデートの話です。

貴斗さんとのデートは、いつもスマートだ。


「初音、今日は俺のおすすめの喫茶店に行こっか。」

「喫茶店ですか?いいですね、行きたいです。」

「よかった。こっちだよ。」


いつもデートは貴斗さんが企画してくれる。でも、必ず私の意見を聞いてくれるし、いろんな場面での気配りを忘れない。

貴斗さんとデートをしてると、お嬢様になったような気分になってくる。思えば貴斗さんは、最初からエスコートが様になっていた。同級生の男の子にはない余裕がある気がする。


「貴斗さんって、なんか女性の扱い手慣れてる感じありますよね。」


だから、私がついポロッと言っちゃったのも、仕方ないと思う。

貴斗さんに連れられていった喫茶店で美味しそうなパンケーキを食べながら私が言った一言に、貴斗さんは思わずといった様子で体をビクリとさせると、顔をひきつらせながら私の顔を窺った。


「えぇっと……。初音、もしかして俺が女遊びしてきたって思ってる?」

「へ?……あ、ち、違いますよ!その、すごいなぁって思っただけです。そんな、遊んできただなんて!」

「そっか……!よかったぁ、なにか弁解しないといけないことしたかと思って焦っちゃったよ。」


貴斗さんが心底ホッとした顔をしてるのを見て、私も胸を撫で下ろした。

貴斗さんに変な心配させちゃった。そんなこと、私が思うわけないのに。


「ごめんなさい、貴斗さん。私が変なこと言っちゃったから。」

「ううん。俺も、勘違いしちゃってごめんね。むしろ、普通の高校生はこんなエスコート、しないもんね。初音がそう思うのも当然だよ。これはなんていうか、頑張って身につけたスキルだよ。俺はただでさえ、ヤクザの息子でハンデ持ちだから。みんなを怖がらせないためには必要だったの。」

「貴斗さん……。」

「それに、いつか初音をこの手に迎え入れたときに、恥ずかしくない男でいたかったからね。初音にすごいって思ってもらえたなら、俺の狙ったとおりだよ。」


貴斗さんが言った言葉に、私は顔を真っ赤にして貴斗さんを睨んだ。

貴斗さんは、本当に恥ずかしげもなくそういうこと言う!反応に困っちゃうから、あんまりこっちが照れちゃうこと言わないでほしい。

貴斗さんは、真っ赤になって照れている私を微笑ましそうに目を細めて見つめている。それすら私の羞恥心を煽ってくる。貴斗さんはいつもは優しいけど、時々意地悪だ。


「俺は初音に、俺が彼氏でよかったって思ってもらえるのが一番嬉しいんだから。そうやって、顔を真っ赤にして恥ずかしがってる初音を見るのもね。」

「っ!もう!貴斗さんの意地悪!ひどいです、もう!」

「あぁ、ごめんね。初音がかわいいからつい。ほら、怒らないで、初音。」


むくれた私をなだめながら、貴斗さんは手元のパンケーキを切り分けて私に笑顔で差し出してくる。”はい、あーん”なんて言いながら口元に差し出してくるそれを見て、私はそのパンケーキと貴斗さんの顔を交互に見つめた。

ほんとに……?この状況で?……まったくもう!どこまでも貴斗さんはキザで意地悪だ。


「もう!こんなので騙されませんからね!」

「えー?じゃ、これ食べない?」


私がもっと怒ると、分かったようにわざとらしい困った顔で首を傾げてくる。

こういう!こういうところ!


「〜〜っ!食べます!はむっ!」

「あはっ。よかった。食べてくれてありがと、初音。」


真っ赤になってもはや火傷しそうなくらいな顔で貴斗さんを睨みながら、私は口に入ったパンケーキを必死に飲み込んだ。

30,000PVありがとうございます。

今回は、貴斗と初音のデート中のお話です。


次回は33,333PVを予定しております。

景介と舞菜のお話を書こうと思っています。

リクエスト等あればいつでもどうぞ。

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