男子会(後編)
50,000PV記念です。
今回は、前回の続き。4人の男子会(後編)になります。
孝汰の言う通りにお菓子を用意し、なんとなくテーブルを丸く囲みながら座る。後はこれでゲームをしながら話す、だったか。
「えーと……。じゃあ、何話す?」
「んー、思ったけど、今更このメンツで話すことってある?」
「若や坊っちゃんは言うまでもなく、私や駿弥もここに常時いるようなものですからね。常日頃から話しているので、こう改めて、と言われると戸惑ってしまいますね。」
俺や景介が何を話そうか考えていると、孝汰があっ、と声を上げた。
「ねぇねぇ!女子会だと、恋バナが定番だって言うでしょ。僕たちもそれに倣って、恋バナとかどう?」
「恋、バナ……?このメンツでか?」
「このメンツだからこそだよ。僕、景介兄ちゃんや駿弥兄ちゃんの恋愛模様、実は気になってたんだよね。」
俺達に目を向けてくる孝汰に、気が進まないと思いながら周りの様子を伺う。
俺達の恋愛模様なんて……。聞いて何が面白いんだか。つか、俺は貴斗を前に何の話をしたらいいんだよ。
俺の気持ちとは裏腹に、貴斗は随分と乗り気になって頷いている。貴斗がやると言ったらやることになるのは確定だ。当然のように、話題は恋バナということになった。
「貴斗兄ちゃんのは毎日身近で見れてるから、たぶん内容大体知ってると思うんだよね。景介兄ちゃんは?景介兄ちゃんは表に出さないから、知らないこと多そうだよね。」
「私はそんな特筆すべきことはしていませんよ。私が多忙の身なので、あまり外を出歩いたりといったことはしませんが、最近は毎日連絡を取り合うようにはしています。」
そういう言い方だと、景介は確かに特筆すべきことはしていないんだろう。でも、俺は知ってる。水輿さんと連絡を取り終えた景介は、3割増で機嫌がいい。呆れながらも口角が上がっているし、メールやメッセージなんかは、たまに見返したりしている節がある。貴斗に関すること以外に興味関心が薄い景介にとって、3割増の機嫌のよさがどれだけすごいことなのか、話せば孝汰も分かってくれると思う。
俺が物言いたげに景介を見つめていると、景介からニコリと笑みが返された。……話すなってことですね。
「なんか意外かも。舞菜姉ちゃんって結構面白いから、もっといろんなエピソードがあるかと思ってたのに。駿弥兄ちゃんは?」
「俺は……話すことは何もないよ。今までだって、勉強しかしてこなかったから。そんなことに割ける時間なんてなかったよ。孝汰は?お前こそ、話すことあるのか?」
「僕?んー、今の彼女はまだ半月だからなぁ。」
貴斗の前で自分の話をするのが気まずくて、孝汰に話を投げると、そう言って孝汰は考え込んだ。
……ん?今気になる言い方じゃなかったか?”今”の彼女?
「孝汰。お前、今までに何人も彼女いたのか?」
「え?やだなぁ、なんか節操なしみたい。」
「これでも孝汰はモテるんだよ。俺、今までにお前の口から4人くらい違う女の名前聞いたことあるんだけど。」
「え、誰だっけ。えっと、ミナちゃんにレイちゃんに……、サオリとチサト?」
「サオリは初耳だなぁ。エナちゃんだよ。中1で告白されたって言ってなかった?」
貴斗と孝汰の口からぽんぽんと飛び出てくる女子の名前に、俺は信じられないような、裏切られたような気持ちで開いた口が塞がらなかった。
え、5人?中3で?……最近の子はそういったことの成熟が早いってデータは知ってるけど、これは俺の想定を上回ってる。……っていうか、孝汰お前……。なんとなく、孝汰と美南ちゃんは純真な真っ当な子どもだと思っていたけど、俺の中の人物像が崩れていくようだ。
「坊っちゃんは、若からの薫陶を受けていますから。女性に対しての扱いが、同級生とは比べるべくもないのでしょう。お顔立ちも整っていらっしゃいますし、十分魅力的に見える要素は揃っていますよ。」
「……確かに、そう言われると納得できる……。でも、それを言うなら貴斗はどうなんだ?お前が宇咲さん一筋なのは今更疑いの余地はないから、過去に誰かいたなんて思わないけど、モテてはいたのか?」
「いや?俺は小学生の頃から茶戸家の人間だって公言してたからね。それに、喧嘩に明け暮れてたから、近所でも有名な問題児だったよ。わざわざ危険に飛び込もうなんて勇敢な子はいなかったよ。ま、俺にとってはどうでもいいことだけどね。」
「んなこと自慢げに言うなよ……。」
貴斗の口ぶりに、俺は呆れてしまう。こいつのこういう悪癖には慣れてきたけど、問題児だったなんて、自慢することじゃない。
にしても、孝汰がすでに5人も過去に彼女がいたってことは衝撃だ。今まで抱いていたイメージが崩れていくのを感じる。
他の3人がまだ話を続けていくのを前に、俺は1人静かにショックを受けていた。
50,000PVありがとうございます。
男子会(後編)でした。
4人の恋バナ、もう少し広げられたらとは思いましたが、際限なくなりそうなのでこのへんで。
また書く機会があれば、もう少し深堀りしてもいいかもしれません。
次は55,000PVで。
今回男子パートだったので、次は女子パートを書こうと思います。




