僕たちはサポーター
44,444PV記念です。
今回は、孝汰と美南の話です。
ある日。学校から帰ってきた僕たちのケータイに、貴斗兄ちゃんからの司令が送られてきていた。
[俺が帰るまでに少なくともうちの膿出しはしといてね。]
膿と聞いて一番に頭に浮かぶのは、本家で見つかったっていう裏切り者のことだ。貴斗兄ちゃんは、うちにも裏切り者、もしくはそれに近しい奴がいるかもと思ってるのかもしれない。それでなくても、最近は物騒なことが多いから、そこらへんも含めて清めておけということだろう。
「美南、見たな。」
「えぇ、孝汰兄。貴斗兄が私達に頼み事なんて珍しいもの。張り切ってやるわ。それで貴斗兄が褒めてくれたら嬉しいわ。」
「あぁ。貴斗兄ちゃんが僕たちに任せてくれたんだから、その期待に応えられる成果をあげよう。」
さっそく僕たちは、組員たちに現在うちの近辺で起こっているトラブルや懸念点を探ってもらった。
僕たちは貴斗兄ちゃんや景介兄ちゃんたちみたいにすごい情報網を持ってるわけじゃないから、こうして組員たちに協力してもらう方が効率がいい。これが貴斗兄ちゃんとかだったら、自分でぱぱっと調べちゃうんだろうけど。
3日間で集まった情報を整理してまずは分類分けしていく。僕たちだけで対応できるもの。組員たちに協力してもらって対応できること。貴斗兄ちゃんたちに指示を仰いだほうがいいもの。
「……できた。うーん、ここはできそうなやつだよね。美南、僕が7割やるから、残りの3割やって。その代わり、こっちは組員への割り振りよろしく。」
「分かったわ。任せて。」
「……問題は、これだな。」
美南と2人で画面を覗き込んだ。
僕たちの手には余りそうな案件。貴斗兄ちゃんたちがここを離れているのをいいことに、裏街で騒ぎが頻発しているらしい。小さないざこざで収まっているものもあるけど、気になる内容が2件。
「最新式の銃火器の取引が計画されてるって。美南、これはどう考えても貴斗兄ちゃん案件だよね。」
「えぇ、私達じゃ難しいわ。下手に引っ掻き回すよりも、貴斗兄にどうするか聞いてみましょ。その方が絶対いいわ。」
「うん。」
さっそく貴斗兄ちゃんと景介兄ちゃんにメールを送る。
この事件がどのくらいまずいものかは分かっているつもりだ。銃が禁止されている日本で、最新式の銃火器を取引する。取引自体はもちろん、対策が十分でない武器類を相手取るなんて、被害が拡大してもおかしくない。
しかも、時期が時期だ。貴斗兄ちゃんたちが出払ってる。なんで出払ってるのか、今どういう状況か。今回の件が今回の件と繋がりを考えるのは、自然なことだろう。
少し待っていると、貴斗兄ちゃんから電話がかかってきた。
『もしもーし、孝汰?』
「貴斗兄ちゃん!」
『お疲れー。大物引き当てたね。これさぁ、できればすぐ情報ほしいんだけど、動かせる組員どんくらいいる?』
貴斗兄ちゃんにそう問われ、僕と美南は大慌てでスケジュールを確認する。これとは別に組員に協力してほしいものもあるし、動かせるとしたら……。
「7人までならなんとか……。」
『7かぁ。1週間以内にある程度まとまった情報がほしいんだけど。ちょっと不安かもなぁ。……10は?』
「……うーん。今回調査した中で、組員に回したい案件が他にもあるんだ。そっちがちょっと遅れちゃうかも。」
『どんな内容?』
貴斗兄ちゃんに今回発覚した問題ごとを簡単に伝え、進め方を教えてもらう。貴斗兄ちゃんにかかればたちまちスマートになったスケジュールに、僕も美南も思わず感嘆の声をあげた。
貴斗兄ちゃんが言ってくれた進め方なら、10人捻出するのも問題ない。さすが貴斗兄ちゃんだ。
『んじゃ、そーいうことでよろしく。またなんかあったら連絡ちょーだい。』
「うん!ありがとう、貴斗兄ちゃん。」
「待ってて、貴斗兄。私達がこっちをまとめてみせるからね!」
貴斗兄ちゃんとの電話を終え、さっそく組員に通達を出す。すぐに動かないと、貴斗兄ちゃんが必要としてるものを必要なタイミングで渡せない。任せてもらったのに、そんな情けない姿は見せられない。
「美南、そっちは任せた。」
「孝汰兄こそ、そっちは任せたわ。」
44,444PVありがとうございます。
今回は、貴斗の弟妹、孝汰と美南の話でした。
本編では、ちょろっと出てから滅多に出番のない2人ですが、
いつも貴斗からの任務に振り回されています。
次回は45,000PVです。
この話をあげた時点ですでに超えているので、
用意ができ次第更新します。
次回は、貴斗、景介、駿弥、孝汰の男子会を予定しています。




