第四話 奇襲
今日二話目の投稿です。
ヤバい無理しすぎたかな....息切れしないように頑張ります!
枢院達がゆっくりと林の中を進んでいる時、本部から連絡があった。
「神奈川支部の緊急任務にあたっている術士に連絡だ。状況が変わった。籠城に危険が生じたため、所員が避難。死者を出さず退避を完了できたものの、支部を奴らに占拠された。機密資料等もあるため、いち早く奪還したい。これより本部の術士を向かわせるが、今現場に居るものは直ちに第4マニュアルを基とした行動に移れ!」
「第4マニュアルか…どうやら相当本気だな」
善田が呟いた。
第4マニュアルとは全部で5つある警戒態勢のうち4番目のレベルに対応した基本行動指示である。
レベル1は調査任務、レベル2が臨戦状態、レベル3はペア戦闘、レベル4が多人数戦闘を想定したものだ。レベル5はここでは敢えて言わないが、今の状態が非常事態であるのはご理解頂けるであろう。
「しかも多人数戦闘とはいいながらもここに来ている術士は我々のみのようですね。どうします?善田さん」
「俺が前、君が後方の形で行こう。近接なら俺が得手だし、神奈川支部の者だから中の構造は俺がよく知っている。君には奇襲への警戒と援護を頼む。」
「了解しました。」
やがて支部に到着した。
「砂楼術・飛車」
善田が術を発動した。索敵系の術のようだ。
「一階の廊下に4人、取り囲むように座っているな。一階の部屋に人はいないが、漁られた痕がある。二階に5人。こいつらは迎え撃つ態勢ではないな、作業中らしき雰囲気だ。司令部と言ったところか。三階支部長室に2人。妖気が濃い。ここは要注意だな」
「一階をどう進むか考えておいたほうがいいですかね。」
「考えるも何も、こうしかなかろう!」
そういったかと思うと、善田は勢い良く突入していった。
「ちょっと善田さん.....あ、そういうことか」
枢院は即座に察して呟いた。
「ペアを組むの上で相方の実力を試そうというのは分かりますが、今することじゃぁないでしょう....」
枢院は溜息をついた。なんとも自由奔放な人である。
「碧水術・又蛇!」
枢院は両腕を絡ませて前に突き出す。すると、白い蛇が二匹、その隙間から現れた。
「中で善田さんの補助をしろ」
◇
「考え無しの幻術士が入ってきたな」
「確かに馬鹿に違いはないが、油断するな。ここは我ら霊能者にとって最後の砦。ここが潰れることは、即ち我々の壊滅だ。」
「来るぞ!!」
ダーンという音と共に扉が破られ、砂埃が舞う。四人は廊下に並び、敵襲に備えた。
「........いない........だと....」
「では今のは一体....なッ」
「ったく、お前らの眼は節穴か?」
待ち構えていた霊能者の一人が微かな声とともにその場に倒された。
「砂楼術・錬纏」
善田の拳と足に灰色の何かが纏われ、一瞬のうちに床に叩きつけられる霊能者たち。
「僕らはこんな雑魚に警戒していたのか....拍子抜けとはこのことだな」
「その言葉、そっくりそのままお返しさせていただこう」
「何ッ」
「神妙術・暗黒穴!吸い込まれて藻屑になりな!」
「シャッ!」
その時、白い何かが彼の腕に噛み付いた。枢院の召喚術によって喚ばれた幻影・又蛇である。
又蛇の視覚は枢院と共有されていた。
「何がブラックホールだ。蒼月術の影撃と何も違わないじゃないか。せいぜいその未熟な自分の技で自爆しな」
善田・枢院組、神奈川支部一階攻略。
残る敵の数、およそ10人。
善田さんと枢院君の相性は結構良いみたいですね(笑)
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