表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/24

第三話 霊術師の襲撃

さて、3話目です。今の所毎日投稿できてますが....三日坊主なるものを克服しなければ(l ・ิω・ิ)ノ


幻術。


”幻”とついているものの、実体がないわけでもなく、世間一般で言う幻とは異なる。


何故”幻術”と呼ばれるのか。


理由は2つある。


一つは、訓練を積んでいなかったり、素質のない一般人には見えないという点。


そしてもう一つが、今日の話に関わってくるわけだが....



「神奈川の支部から救援要請です!」


「何?苑佐か?」


ここは幻術士連盟本部。昨日の苑佐対策本部とは違う、常任の本部である。


「違うようです、そちらに通話を繋ぎます」


職員はこれだけを言うと、神宮寺に電話を繋いだ。


「こちら神奈川支部総監の牧原(まきはら)


「本部の神宮寺だ。」


「霊術師と思しき者の攻撃を受けている模様。応援を!」


「久し振りに動き始めたか。了解、どれだけ耐えられそうだ?」


「もって3時間。こちらは既に2名が負傷している。」


「持ち堪えてくれ。」


神宮寺はそれだけ言うと、すぐに指令を発した。


「神奈川の支部に近いものはすぐに態勢を整えて行け!霊術師の襲撃を受けている。


現場は既に2名が被弾。蒼月派陰術士を最優先とする」



その頃神奈川でちょうど任務にあたっていた枢院。


連絡を受け支部に向かっている途中、不意に話しかけられた。


「君、その様子だと幻術士かな?」


「誰です?」


「砂楼派陰術士の善田(ぜんだ)って者だ。この感じだと恐らく援護はこの二人でペアを組むことになりそうだな」


ちゃらそうな男。攻撃が敵組織からである関係上、警戒は解かなかったが、どうやら杞憂だったようだ。


なお、幻術士が任務に当たる際、戦闘が不可避と考えられる場合は原則ペア行動である。


枢院も善田という男も、調査目的で来ていた為一人であった。


「しかし困ったものだな、霊術師たちは。いつまで小競り合いをするつもりなんだろうか」


ほんの十数キロ先への移動中。近くに敵が潜んでいるかもしれない。悟られてはいけない為、真っ直ぐには目的地へ向かわずに蛇行しながら小走りで移動している中、善田が話しかけてきた。


「そうですよね」


枢院も相槌を打つ。



そう、お分かりの方も居るだろう。


前述もしたが、幻術の実態は魔法そのもの。なぜもっと分かりやすい名前で呼ばれないのか。


その背景には、”霊術”というものの存在が大きく関わってくる。


時は江戸時代、幻術も徐々に今の形になりつつある頃の話。


まだ明確な名前も決まっておらず、人々は奇術だの、呪術だのと気味悪がり、彼らを世から遠ざけた。


それと同じ頃”霊術”といわれるものが現れた。


それらは最早幻術そのもの。いわばパクりである。


しかし彼らは悪い意味で賢かった。


その力を大衆に都合の良いように使い、好かれようとしたのである。


民衆というものはよく、目先の利益に釣られやすいものだ。その裏で彼らが何を考えていたかも知らずに、見事に引っかかった。


ただ仲がよろしくなかっただけの今の幻術派と霊術派の関係に狂いが生じ始めたのはこの頃。


彼らは、民衆へ印象操作を行い、幻術士たちへの弾圧をした。


幻術士だって戦闘のプロばかりではない。武器なんか持ち込まれて急襲されたら勝ち目はないのである。


それによって幻術士は激減。五代師家の下に位置していた他の師家も壊滅し、一方の霊術師たちはのうのうと生き残り、今も”()()”という新しいスタイルを見つけて今も存在している。


一方の幻術は生き残るのに精一杯。今、幻術が世間的にあまり知られていない理由でもある。


名に”()”とつくのは、弾圧があった江戸後期、「妖怪」などと言われるものが現れ、その中に蜃気楼をみせるものがいたことを霊術師がこじつけたからである。


もっとも、妖怪は今で言う「幻影」なのだから間違いじゃない。自分たちでそのまま「幻術」と呼び名称を変えないのもそのためである。



「さ、そろそろお喋りは終わりだな。ここからは臨戦態勢で動くぞ。」


街を抜け、ちょっとした林に着いた時、善田は息を潜めていった。


まさか街なかに”幻術”の看板をぶら下げるわけがない。支部は山奥にあるのだ。


「ちょっと待ってください。だったら万全を期したほうがいいでしょう。」


「ん?それに越したことはないが.....」


「碧水術・雲霧(くもきり)


「お、やるじゃねぇか。進むぞ」


支部はすぐそこである。



人物簿


善田(ぜんだ)俊樹(としき)

砂楼派陰術士。神奈川支部所属

20代前半。抑えきれないチャラさがある。

根はいい人。趣味で格闘技をやっている。

また伏線...と思ったそこのあなた!大丈夫です。この回に伏線はあまり入れてません(本当は入れたい...)

霊術師の過去は少なくとも今のうちは軽く流してもらって大丈夫です。

読みやすさを重視して書きたいと思っています。

まあ、僕としても入れすぎると回収がきついし、「多すぎて忘れる」なんて言語道断ですからね。


よかったら☆評価、感想をお願いします。

Twitterのフォローも是非.....

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ