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第一話 プロローグと仇敵の再来

現行の作品を一旦お休みしてしばらくこちらを主に書いていきたいと思います。

できる限り毎日投稿、少なくとも週一で上げます(決意)


どうか応援の程よろしくおねがいします。

※一話目ですので情報渋滞が起こっていますが、直近の話で解消されますのでどうかお付き合いください。


「逃げやがっったな.......くそっ!」

「まあまあ、そうカッカしない。あの程度の幻影(げんえい)なら近くの陽術士(ようじゅつし)がどうにかしてくれるでしょう。」


近衛(このえ)(あおい)は、なだめるように言った。


「そうは言ってもよぅ......。」

青年、央宮(おうみや)(れん)は悔しそうに言った。

ここはとある廃校。彼らは()()の出現通報を受けてそれを消しに来たのである。


「おい。終わったぞ」

「健士、お疲れ」

「お疲れ、央宮」


健士こと枢院(すういん)健士(けんじ)。ここには三人で来ていた。

「あれ.......私は........?」


置いていかれる近衛。


こんなんだが、仲はいい。息もぴったりである。


陽炎(かげろう)術・不知火(しらぬい)!」


碧水(へきすい)水刃(すいじん)!」


「健士!しゃがめ!」


「おうよ!」


「陽炎術・焔刃(えんじん)!」


これは別の任務でのこと。

「うい!一丁上がりだ」


「お前の不知火、ちょっと大きくなってないか?」

「目くらまし効果抜群だろ。」

「ああ。しかも陽炎系なのに俺の碧水系に干渉されてないよな。どうやったらそんなこと出来るんだ?」

「どうするも何も、俺はなにも特別なことはしてないぞ。」




さあ、皆さんご存じない言葉が連発したところで、軽く説明しておこう。


まずこいつらは幻術士。その中でも陽術士に分類される。


本職は高校生。学業の合間を縫って任務についている。


そして彼らが戦っているのは、幻影と呼ばれる存在。一種の心霊みたいなものである。


その姿は実に多様。


基本的にその力は自然に依存し、自然は幻影に影響される。


だが最近はその力が増大し、都会に出てきてしまった。


俗に言う「怪奇現象」は大概が幻影の仕業である。


もっとも、その大半は大した力もなく、力の源の自然から離れるため消滅していく。


だが、その中に稀に、恐ろしい力をもった幻影が生まれてしまうことがある。


であるから、彼ら幻術士は幻影による被害を最小限にするために連携している。


そして、さっき出てきた〜〜系という名前。


お察しの通り、属性である。


陽術と呼ばれるものは3つ。陽炎、碧水、青山である。


碧水は陽炎に干渉し、陽炎は青山(せいざん)に干渉し、青山は碧水に干渉する。


影術に分類されるのは、蒼月と砂楼。


蒼月(そうげつ)砂楼(さろう)以外の全てに対して干渉できない。が、代償として5つの中で唯一、癒の力を有する。砂楼は何にも干渉せず、されない。そんな5つの特性を持つ術で、彼らは自分たちなりに裏から人を守っているのである。


「ご苦労。」


3人の報告を受け、重々しく言ったのは幻術界の重鎮。五代師家(ごだいしけ)が一人、


八百条(やおじょう)実厚(さねあつ)。青山派のトップである。


「ところで、()()の話はどうなったんですか?」


今日分の仕事を終えて支給を受け取り、枢院は気になっていた事を聞く。


「........苑佐のことか?」


「..........はい。」



革命苑(かくめいえん)佐勇軍(さゆうぐん)。通称、苑佐(えんさ)


幻術界最大にして最悪の汚点と呼ばれる組織。略称の由来は、この組織との戦いで多くの罪無き幻術士たちが命を落としたことからの怨嗟(えんさ)、から来ているとか。


幻術の一般化と世界の支配を最終目的とし、幻術士を「真の霊長類(ホモサピエンス)」と祭り上げた。


そして、つい最近、八百条の率いる「幻術士連盟」が破った....とされているのだが。


「率直にお聞きします。殲滅は、できてないですよね」


「ああ」


「じゃあ何でそう発表したんです?」


「.......」


「八百条さん!」


「......そうするしかなかったのだ。」


八百条は悔しそうに答えた。


「あの戦いで一体何人の術士が死んだことか!我々の目的は悪との戦いなどといった空想的なことではない。幻影による被害を食い止め、世界の平衡を保つことだ!」


「しかし現実はそうは言ってられない。事実、彼らは潜みながらも確実に力をつけている。それを放っておくと?」


「黙れ健士!だからどうしろというのだ!」


「戦力が足りないんでしょう。僕と央宮、それから近衛。僕らが対策本部の一員となれば、人手不足も改装できるでしょう。」


「ふざけるな!それこそお前たちは未来の希望だ!若い芽を摘ませるわけにはいかんだろうが。」


近衛は突っかかった。


「実厚さん。私達を誰だと思ってるんです?」


「そうですよ。俺らみんな親も死んで、誰も悲しむことはない。


俺らだって五代師家の”当主”ですよ?」


八百条は深く溜息をつくと、ゆっくりと言った。


「話は分かった。だが、儂の考えは変わらんぞ。取り敢えず、明日本部の人間に会わせてやる。」


話はそれをもって終わった。




人物簿


央宮(おうみや)(れん)

高校生。陽炎派陽術士。本部所属

17歳にして五代師家が一家、央宮の当主。

体型は中肉中背の細身寄り。性格は温厚だが熱くなりやすい。

親を苑佐との戦いで亡くしている。


枢院(すういん)健士(けんじ)

上に同じ。碧水派陽術士。本部所属

17歳にして五代師家が一家、枢院の当主。

体型は細身。性格は冷静。意外と社交的な一面も。

央宮とは違い、母親は病気で、父は事故で両方早死している。


近衛(このえ)(あおい)

上に同じ。非常に希少な蒼月派陰術士。本部所属

17歳にして五代師家が一家、近衛の当主。

体型は細身(これ以外の答えある?)、髪はショート。性格は明るめだが少し内気な面もあり、本当に気を許した人にしか素を見せない。

食事の時と友達と一緒にいる時が好き。

親を苑佐との戦いで亡くしている。


八百条(やおじょう)実厚(さねあつ)

69歳。幻術界の重鎮。青山派陽術士。本部所属

五代師家主席、八百条家の当主。

年も相まって持病が結構ある。央宮に似て、熱くなりやすい。が、普段は冷静。頼りになるおじいちゃん。

孫が大好き。なお、孫を幻術の世界には断固として入れたくないらしい。



これからが楽しみだ、ぜひ応援したい、と思ってくださった方。

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