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第七話 爺さん、ようやく本編を始める

ガラガラガラ


日が上りきった正午、

俺たちは無事王都セーザンに到着した


うん、全てが懐かしい、この独特の屋台の香りも

市場の雰囲気も、4年前とほとんど変わってい


俺の知っている王都だ。


ガタン


馬車が止まった

「お客さん、到着ですよ。

それと道中色々ありがとうございました」


「あぁはいはい、こちらこそ」


「それじゃ、ハ!!」


ガラガラガラガラ


過ぎ去っていく馬車てを振って見送る


「さて、この後どうするの?」


「ああ、とりあえず俺この肉を換金してから

炎刃の騎士団の求人募集に混じってくるが、、、」


「は、働けんの、あなた、、、」


「まあこれでも元は剣聖なんでな」


「はいはい、頑張って剣聖様、、、充分気をつけてね


私は私で色々働き口探すから」


「俺が働きゃ、十分だと思うが・・・」


「いくら保護されてるったって、おんぶにだっこじゃ

流石に私も気が引けるわよ」


「それもそうか、じゃあ、別行動で今日の夕刻、

あの広場に集合でいいか?」


「ええ、構わないわ」


「そんじゃ。」


そういうと俺は換金のため食事屋へと向かった

________________________


「ありがとうございました!!!」


例によって異様な速さで換金を済ませ

ついに14年ぶりとなる騎士団の本部へと向っている


かれこれ14年ぶりか、

もはや名前はおろか顔すら覚えているやつが

いるかどうかというところだ。


いやはたまた全員が覚えてて歓迎してくれるだろうか


「お帰りなさい」


「あ、憧れだったんです」


「どうしてこんなところに?」


「奇跡の復活ですか?」


うぉぉぉぉぉぉ!!!!



おおと、いけないいけない

老害の都合のいい妄想が出てしまった


全くこの歳にもなると、

とことん周りが見えなくなってくからな。注意せねば


どんなふうに変わっているか、受付は誰になったか

あの清掃の方は元気だろうか

俺の反応以外でも気になることはたくさんありそうだな



っと、ここだな、相変わらず大きな建物だ


ギギギィィィィィィ、、、、


扉が軋む音を立てながら

炎刃の騎士団の本部の扉を開いた


コツン、コツン、コツン


大理石の床をゆっくりゆっくりと進みながら

受付へと進んでいく


やはり、というか残念なことに中の人間の反応は

希薄なものだった。いやそれどころか何か違うものを感じる


探索で周囲の声を拾ってみると


「あれって、、、、」


「ああ間違いない先代の剣聖だ。」


「私たちを散々騙しておいてよくも

おめおめと戻ってこられたものね」


「外道が!!!」


「てめえのせいでどれだけ当代の剣聖が苦労したと思って

やがる!!!」


どういうことだろうか

俺は剣聖にこそなりはしたが彼らに危害を加えた

覚えはない


さらに追い討ちをかけるように

騎士団の護衛が即座に俺を取り囲み、槍を突きつけた


「これは、どういうことだ」

天井に気配を感じ、言葉を投げた


「自分の胸に聞いてみることですね」


「はぁ?」


天井からコウモリの羽を背中につけた男が降りてくる


「あなたは14年前全てを騙しきったことを

悠々と誇りながら剣聖を引退した、、


しかし、民の目を騙し切れるとお思いですか?」


「何の話をしている」


「話になりませんね


この男を、捕らえなさい!!!」


「は、はぁ??」


全くもって訳がわからない、


なぜ、久しぶりに騎士団に来たら、突然

お縄にならなくてはいけないのか


しかもペテン師呼ばわりである

冗談じゃない!!

手荒な真似はしたくないがこれでは俺に前科が付きかねない


そうなりゃもう嫁も、友人もおしまいだ


逃げよう!!!


「貴様。。聖剣を侮辱した罪、たっぷり償ってもらいますよ!!」


「俺に、覚えはない!!!」


「まだ言うか!!!」

男は激昂していた


俺は飛び上がり槍の攻撃の範囲外に出る


「逃がしません」、悪魔の波動(デーモン・ショット)!!」


ブウィン、ブウィン、、ブウィィィィィン

光線かよ、避けんのは苦手なやつだなぁ


体を(よじ)り何とか紙一重でかわす


ドドドン!!!


打った光線はそのまま騎士団本部の屋根を吹き飛ばした



「ッチ、しぶとい奴め」

ラッキー!!!


剣を取り出し、いかにも彼に反撃せんと体をなす

景気づけに声も出しとくか


「うおおおおおお!!!」


「見せかけの雑魚になど恐るるに足りません」


右手に鎌のような鋭い爪を出し、応戦体勢をとる


待ってました


ふんっ!


俺が出したのは剣ではなく足だった、


えいや!!!


その訳の分からないコウモリ男を踏み台に穴の空いた

天井に足をかける


「グハッ、貴様!!!、、逃しませんよ、追え、追えーーー」


タッタッタッタ、、、とりあえず夕刻まで天井で

あいつらと鬼ごっこしてで最後の消えて集合場所に行こうか


それにしてもどうしてこんなことに・・・・


全く覚えがないが、、



仮面でも被って図書館で調べようか、


そこの屋台に降りて、、、


スッ


「すまん、その仮面一つもらえるかい?」


俺が話しかけるとその屋台の中年女性は

顔色を変えて


「裏切り者はここよ!!!早く来て!!!!」


げ!!なんでこんなに俺の悪名はここまで広まってんだよ


不思議に思いつつも仮面を諦め、鬼ごっこを続行した



ー夕刻ー


「ね、ねえあなた、何があったか聞くべきでないんだろうけど

一応聞くわね。」


はぁはぁはぁ、


俺は追われ続けその最中、

無理矢理ピエロの格好をして風船を持っていた

もちろん生活必需性があったので昔覚えた魔法で作った風船だが


かなり怪しいピエロなのだろう


化粧も即席でめちゃくちゃな材料を使った

赤鼻は剣で加工したりんごだしな


もちろん衣装もいい加減に落ちてた魔法の羽織りものを

勝手にカラフルに改造したものだ


「何があったの?」


「聞かないでくれ、顔面崩壊中じゃ」

真顔だった

ご購読ありがとございます


よければブックマークと評価の方していただければ、幸いです

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