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日記シリーズ

まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【短編】

作者: 日暮キルハ

 今日から日記をつけていこうと思う。というのも、明日から幼馴染の勇者たちが人類を脅かす魔王の討伐に出発するからだ。

 きっと過酷な旅になると思う。けど、俺は信じてる。あいつらならきっと大丈夫だって……。


 ユーリは俺達がガキの頃から勇敢で優しくて何でもできるリーダーみたいな奴だった。ちょっと天然なところはあるけど、俺みたいな凡人にとっては誇らしい友人。そんなあいつだから、選ばれたものにしか扱うことができない聖剣の一つである【カラドボルグ】に選ばれ、勇者になった時も驚きは全くなかった。

 レインは俺達のなかで一番体を動かすのが好きで体を動かすのがうまい奴だった。俺は一度もあいつにかけっこや木登りで勝てたことがない。そんなあいつが「盗賊」としてユーリの勇者パーティの一員になると聞いた時はレイン以上の適任はいないと思ったほどだ。

 メリッサは俺達のなかで一番頭がよくて魔法を使うのが上手だった。まだ簡単な魔法の一つも扱えなかった頃の俺はよくメリッサに拝み倒して魔法を見せて貰ったものだ。ユーリのパーティの「魔法使い」にメリッサ以上の適任はいない。

 アリスは天才だった。何をやっても器用にこなして何でもないような顔で飄々としていた。何でもできる彼女は何をやっても人並程度の俺にとっては憧れの存在だった。そんな彼女はユーリのパーティでも色んな役割を必要に応じてこなすらしい。やっぱりアリスは凄い。


 みんな、俺の自慢の友人だ。

 あいつらならきっと魔王を倒して世界を救ってくれる。

 幼馴染達が遠い所へ行ってしまうのは寂しいことだけど、あいつらと違って何の取り柄もない俺に出来るのはこんな風に日記をつけることと笑って送り出してやることだけだ。

 だから、明日は一切の悔いが残らないように送りだそう。いつかあいつらが帰って来た時に出迎えてやれるように。




















 ……ところで、さっきアリスが家に来て「明日の夜は魚が食べたい」って言って帰って行ったんだけどあれなんだったんだろ。

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― 新着の感想 ―
[一言] タグの『次の日に絶望』が良い仕事をし過ぎてます(笑) 翌日の日記も、是非読みたいです(笑) 多分、1ページ丸々『アイツら馬鹿なんじゃないの?』を延々書いてそう
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