母の思い子の思い
ハイエルフの王国王城の大きな部屋の窓辺でミアーセスは微睡んでいた。
数百年前の夢を視ていた
愛くるしく可愛い双子を夫と仲良くあやしている
ハムハムとミアーセスの服の襟を咥える愛らしい小さな黒髪の男の子
夫に抱かれすやすやと指を咥えて眠る小さな金髪の女の子
幸せな一時
ただこうして夫婦で子育てをして生きていけるだけで良かった
他に何も望んでいなかった
幸せな一時
本当に一時だけだった
夫は村や街を山から降りて来て襲い危害を加えるハグレ竜を退治に何度も帝国の召集に応じて出掛けて行った
夫は生死を彷徨う重症を何度も負い傷が癒えるとまた出掛けて行った
夫は竜騎士だった。
竜殺しは帝国にも数人しかいない
夫ほどの戦火を潜り抜けた竜殺しは片手で数えれるしかいない
危険な仕事。
判っていた。
判ってはいた。
出逢い恋をして愛し合った頃から
夫と長く共に生きて行けないと
自分が夫の国に長くは居れないことも
母国の都合で我が子達と引き離される事も
ようやく乳離れをしたばかりの我が子達と引き離された
我が子達は夫の国で匿われて育てられる
人間の皇帝陛下は約束してくれた
『我ら一族は永劫恒久にこの子達を人間の利益の為に利用はしない。子の達を閉じ込めもしない。子の達の将来はこの子達に委ねる。だからせめて数年に一度でも良い。母親との面会をさせて貰いたい。ハイエルフの王よ叶えて貰えぬか?我ら種族が違えども子を持つ者の親として叶えて貰えぬか?皇族が続く限り慈しみ愛し守り育てて行く我が子と同じ様に約束であり確約する。書面にて書き記す。必ずと』
皇帝は力強くハイエルフの王に言い夫と私にも書簡を渡してくれた
離れ離れになり月日の流れに人間の夫は老衰で天寿を全うした。
夫の最期の時をみとる許可を貰いみとる事ができた。
『ちび助達が君に会いに行けるほど大きく育つ事を俺は祈りを捧げながら旅立つ。愛していたずっと君をあの子達も。皇帝に俺の財産の管理を頼んである。この国でもあの子達に育って行けるほどはある。だから君には今は離れていても将来あの子達と共に過ごせる時が親子の時が来るのを祈っている。愛しているミアーセス。私の幸運の女神ミアーセス。あの子達を頼む』
私は夫の最期の言葉が聞けた
夫の言葉通り数年に一度あの子達に会いに行けた。
すくすくと育ち夫の死後息子は冒険者となって夫の相棒の竜と旅立った。
その数十年後に娘が皇帝に見初められ後宮に入った。
旅をしていた息子が会いに来てくれた。
大きく逞しく育った息子に夫の面影が重なり涙が溢れた。
強く逞しく育った息子は再開を約束して旅立った。
私は誰にも負けないほど例え離れていても息子と娘に母と言えるほど愛情を注いで来た。
やがて息子は竜騎士となり竜殺しとしても夫と並ぶほどの名を轟かせる英雄となった。
私は数十年振りにまた夫と同じ様に毎日息子の無事を祈った。
やがて息子は暴竜を退治して幾多の竜を退治すると竜騎士を退き武器職人となり街を造りを武具工房を営み始めた。
数年後息子が籠に隠すように包みを抱えて会いに来た
「魔族が竜を殺す為だけに使う忌むべき呪いの槍の力で弱り亡くなってしまった白銀皇后竜から託されて俺の子として育てる事になった子竜だ。この子は俺の魔力を注がれた彼女から産まれ彼女が亡くなるまで愛情と彼女と俺の魔力を注ぎ卵から返した俺の子だ。血は繋がらないが魔力で繋がった親子だ。母さん俺の初孫を抱いて貰えるかな?」
勿論私は快く息子から渡された子竜を抱いた。
間違いなく子竜から息子の魔力を感じ取れた。
この子竜は間違いなく息子の子だ。
種族は違えども私の孫だ。
すやすやと眠る小さな子竜。
息子の眼差しは正に父親の眼差しだった。
息子の成長に喜びが溢れる。
欲を言えば息子の嫁の白銀皇后竜も見てみたかった。
顔が思わず綻ぶ。
これが母親としての思いかな?と私は感じていた。
あたちがはじめてみたモノそれはオトウシャンだったぬくぬくしていたものからでてぬくぬくしてみえたモノはオトウシャンだったオトウシャンはあたちをなでなでしてくれたいつもなでなでしてくれたオトウシャンといつもいっしょぬくぬくのオトウシャンにだっこされていたはじめてオトウシャンとおでかけしたところはおはなのいいにおいのところだったふわふわのぬくぬくのなかですやすやしていたらオトウシャンとおなじにおいのふわふわのぬくぬくがやさしくだっこしてくれてたやさしいおめめのふわふわのぬくぬくがあたちをみつめていたやさしいおめめでふわふわのぬくぬくはあたちをみつめていたやさしいおめめのふわふわのぬくぬくもオトウシャンとおなじでたくさんなでなでしてくれたやさしいおめめのふわふわのぬくぬくとはなれるときやさしいおめめのふわふわのぬくぬくのおめめからポロポロおみずがこぼれていたあたちはペロペロしたペロペロしたらおみずがずっとポロポロこぼれてたオトウシャンがふわふわにくるくるしてくれてぬくぬくしていたらふわふわのぬくぬくがやさしいぎゅうぎゅうをしてたくさんぬくぬくなでなでしてくれたらあたちはすやすやしてたオトウシャンとまたオトウシャンのにおいのするところにいたやさしいおめめのふわふわのぬくぬくはいなかったあたちはふわふわからでてやさしいおめめをさがしたけどちかくにやさしいおめめのふわふわのぬくぬくはいなかったオトウシャンにふわふわのぬくぬくにくるくるされてたくさんなでなでしてくれた「ミリュムまたばあばにあいにいこうな」オトウシャンのおめめからもおみずがポロポロこぼれていたのであたちはペロペロしたオトウシャンもおみずがポロポロずっとこぼれていたのであたちもずっとペロペロしたあかるくなってくらくなってをたくさんみたたくさんあかるくなってくらくなってをみたあたちはまたオトウシャンとおなじにおいのするやさしいおめめのふわふわのぬくぬくにだっこされたくなった。