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夏が来た
夏が来た 晴れやかな空
燦燦とした太陽が 大地を熱く照らしている
空には青い風が満ちている
海には入道雲が生えている
谷間を流れる渓流のせせらぎに魚が跳ねた
岩肌にはびっしりと一面に苔が繁茂していた
木漏れ日を吹き抜けた一陣
林間にのぞく新芽の木立ち
小動物は幹を駆け登り熱心に葉を揺らしている
大きな動物たちは飛び交う虫を求めて大樹の根元を這いまわっている
山深く緑濃い高地に杣人が唄う
こつーん こつーん ぎこぎこ ぞりぞり どしーん どしーん
大木の倒れる音が響き渡ると
小鳥たちは両手を広げ喝采を上げた
大樹たちは動じない
切株たちが新たな芽を伸ばして古馴染みに挨拶をするから
花たちは我知らず 花托を上に向け自らを誇った
猛禽たちは沖天し 時の移ろいを告げた
雲がさすらえば ざあざあと気まぐれな夕立が降る
夏が来た 夏が来たよ と雫涸れるまで
声がかれるまで空は叫ぶ
夏が来た 夏が来た