異世界でも学校って何かおかしくないですか?
城園です。
何か暇なんで書いてみました。
自分で言うのも何だけど、意外と面白い。
序章
陽向 宙の場合
「え?え?何ここ?」
俺の口からはそんな不甲斐ない言葉が漏れ出た。
どうしてこうなったんだっけ…あ、そうだ、確か遡ること数時間前―。
俺・陽向 宙は普通の男子高校生だった。
どこの学校にもいる至って普通の高校2年生。
―ただ、人より人気がある、そんな自覚はあったと思う。
今日も、いつもの友達と登校して、いつもと同じように人と喋って、いつものように帰ろうとした。
しかし、偶然目にしたスマホの画面が、俺の運命を変えた。
そこにはこう書いてあった。
「The Earth Project IV 本日発売!」
これを見た瞬間、俺は計画の変更を余儀なくされた。
THe Earth Project、略してジアプロとは、知っている人こそ少ないが、1度やって見るとハマってしまうパソコン専用RPGである。
発売以来、どハマりしてしまうひとが続出したため、今回でシリーズ4作目という異例の作品数となっている。
そのジアプロの発売日が今日だというのだ。
俺は帰りのホームルームが終わるや否や、全速力で学校を飛び出した。
たかがゲームという人もいるだろう。いや、いない訳がない。
しかし、俺にとってはそれほど大事なゲームなのだ。
何を隠そう、俺は大のジアプロ好きなのだ!
発売日に買わないわけがない。
そんなこんなで、近所のゲーム店へ。
幸いなことに、1本残っていたので即買い、脱兎の如く家へ。
早速パソコンを起動。
アバターは今までと同じ設定にして…
お、もう設定完了だ。じゃあ、いっちょやってみますか!
…今回はギルド登録から、職業も選べるようになったのか。
んっと、いつも通り「勇者」でいっか。
ん?「クエストを開始します。始まりの平原へ転移しますか?」って書いてあるぞ。
転移…するか。
あれ?どうしておれの体が光り輝いているんだ?これはなんだ?何が起こっているんだ?
一体俺はどうなるんだ?俺はー。
…
…
…
どうやら俺は夢をみていたようだ。目を開けた瞬間、眩しい日差しと青空が目に飛び込んできた。
ん?青空?眩しい日差し?
おかしい。だってついさっき家でゲームをしていたはずだ。
もしかして、それすらも夢だったのか?
おいおい、まじかよ…
折角ゲームやってたのに。
あーあ、もうそろそろ帰らないと。
俺は立ち上がる。
さらば、俺の儚い夢よ。
そう思って空を見上げると、そこには真っ黒い巨大な竜がいた。
神崎 北斗の場合
人間というのはとても面白いと思う。
普通の動物では有り得ないことが、人間何度も起こっている。
だけど今の俺に起こっているとこは、僕には到底信じられなかった。
自慢じゃないが、俺は頭がいい。
高校2年生にしては、それなりに出来る方だと思う。
現に、今日行われた英単語テストも、数学の計算テストも、全て満点だった。
まぁ、いつもやってるんだから当然だろう。
クラスの奴らが、やれ赤点だやれ自分はギリギリセーフだとか騒いでいる。
その度に俺の方を羨ましそうに見ているのもいつも通り。
そんなにいい点取りたいなら勉強すればいいのに、と思う俺である。
しかし、俺にとっていつも通りでないことが1つだけあった。
「The Earth Project IV 本日発売!」
これである。
THe Earth Project、略してジアプロとは、知っている人こそ少ないが、1度やって見るとハマってしまうというパソコン専用RPGのことだ。
約1年前にこのゲームを発見して以来、とても面白く、ハマってしまった。
人とのコミニケーションが面白いと思い始めたのも、この頃からだ。
そのジアプロの発売日が今日だというのだ。
俺は帰りのホームルームが終わった瞬間、走行禁止の廊下を全速力で「歩き」、行きつけのゲームショップへ。
…よかった、まだあった。
早速家に帰り、パソコンを開く。
このパソコンは、このゲームのためだけに買った、最新モデルのものだ。
どうやら今回の新作は、職業が選べるらしい。
どれが俺にとって1番ベストなのか。
それを考えながら画面をスクロールさせていると、あるひとつの職業が目に留まった。
「魔導士」
賢者をイメージさせるその言葉は俺を一瞬で魅了した。
頭のいい自分には相応しいこの響きのなんたることや!
その言葉は俺を魔導士にするには十分過ぎる程の魅力だった。
そして俺は魔導士になった。
ん?「クエストを開始します。始まりの平原へ転移しますか?」これは何だ?
…クエスト開始の合図か。
俺は迷いなく「YES」を押す。
その時、俺の体がまるで太陽のように発光し、俺の意識は途絶えた。
…
…
…
…ここはどこだ?
俺は今何をしていた?
俺の記憶が確かなら、俺はついさっきまでゲームをしていたはずだ。
俺は何故ここにいる?
俺に何が起きた?
…考えていても埒が明かない。
周囲の状況を見渡すために起き上がった俺がその時見たのは、俺と同じ制服で尻もちをついている1人の男と、空を覆い尽くすほど大きな竜だった。
西園寺 ミモザ《さいおんじ みもざ》の場合
理解不能。
そんな言葉が頭に浮かんだ。
それぐらい、この情景は異様だった。
「ミモザー!おはよー!」
「あ、奈々!おはよう!」
今日もいつもと同じ友達といつもと同じ挨拶。
そして始まるいつもと同じ日常。
はっきり言って、つまらない。
教室を飛び交う単調なワード。
毎日同じ言葉で、よく飽きないなー。
ピコン。そんな音が聞こえて、何気なくスマホを手に取る。
見ると、「The Earth Project IV 本日発売!」
という文字が目に入る。
THe Earth Project、略してジアプロは、知っている人こそ少ないものの、1度やって見るとハマってしまうパソコン専用RPGのこと。
半年ぐらい前、刺激のない日常に飽きていた私はたまたま小学4年生の弟と行ったゲームショップで見つけたこのゲームに、私はどうしようもなくハマってしまっていた。
「…ザー、ミモザー?」
「何?」
「それでー、ミモザも行く?」
「何がー?」
「だーかーらー、カラオケ!今日は他校の男子もくるってさー。」
…カラオケ。それは普通の女子高生ならば喜んで行くであろう。私もよく行く。特に刺激もないが、一応友達付き合いってもんがあるし。
しかし、今日はジアプロの発売日だ。こんな日にカラオケなど言語道断である。
「ごめーん、今日はちょっと用事あって」
「えー、何ー?そんなに大切な用事?」
「うん、今日は塾の補習なんだー。」
「そっかー、頑張って!」
「うん、ありがとー!」
…よし、これで心置き無くジアプロ買いに行ける。
待ちに待った放課後。
人生で1番じゃないかと思うほどのスピードでゲームショップへ。
他の売り場には目もくれず、ジアプロを買って、家に戻る。
よーし、早速開始♪
…職業?あ、今回は選べるんだー。
んー、「ヒーラー」でいっか。ヒールって重要だもんね。
…何だろ、これ。
ま、取り敢えずテキトーに「YES」でいっか。
あれ?あれ?あられれれ?
うわあああっ!
体光ってる!?
…
…
…
ん?ここどこ?
あー、まさかの夢パターンか。
あー、だるい。
帰んなきゃ。
そう思って立ち上がった私は、おっきな竜と、その真下にいた2人の男子を見た。
龍ケ崎 大和の場合
唐突だが、俺は今の状況が全く理解できない。
俺は今日学校を休んだ。
仮病で。
理由はこれだ。
「The Earth Project IV 本日発売!」
これだ。
俺が強くなるために始めたゲーム。
このゲームを1回やってハマらなかった人はいないという伝説のゲーム。
これを今日買うためだけに休んだ。
何故か。
それは、トッププレイヤーになって…!
「大和ー?お昼ご飯何がいい?」
うわっ。
「うーん、何か食べやすいものがいいなー!」
「わかったー!買い物行ってくるからおとなしくしててねー!」
「うん!いってらっしゃい!」
…よし!買いに行こう!
数分後、大和の手にはジアプロが収まっていた。
よし、いっちょやってみますかー!
お、職業が選べる!活気的だー!
ならば!!俺は騎士になる!
強くなるためには1番手っ取り早いし。
ん?こんなボタン、あったっけ?
…まぁ、きっと新機能なんだな。
「YES」って押せばいいのか?
ん、どうして俺は光っているんだ?
どうして体が薄くなっているんだ?
どうして―
…
…
…
ここは?
どうしてここに?
俺はついさっきまでゲームをしていたはずだ。
もし違うとしたら、俺は何をしていたんだ?
取り敢えず状況把握だ。
そう思って立ち上がった俺を迎えた現実は、
怯えた3人の男女と、空を覆い尽くすほど大きな竜というあまりにも有り得ないものだった。
星見 紫水の場合
私は家が嫌いだ。
理由はただ1つ。
家が「とてつもなくデカい」からだ。
だから、このあまりに異常な事態でさえ、私は「家に帰らなくて済む」という希望をみいだしていた。
「あーあ、家、潰れないかなー。」
そんなことを思っていた私は、たまたまこんな会話を小耳に挟んだ。
「ねーねー、ジアプロ今日新作でるってー!」
これを聞いたとき、勝った、と思った。
ジアプロは、ほぼ課金ゲーだという噂があるからだ。
これでお金を使い込んで家を潰してやると思った私は、早速、買ってやって見ることにした。
とはいえ、1回も前作をやったことがなく、私は正直いって不安しかなかった。
ん?
これ、案外いける?
意外と簡単じゃーん!
…職業?
わからないからスナイパーでいいや。
あとはこれに「YES」っと。
お?
このゲームは体と連動して体が光るようになってる!
どんなしくみなんだろ。
あれ?体が薄い!転移を完全再現してる!
キャーー!
…
…
…
あれ、このゲームってVRだっけ?
…いや、違う。
これは現実!?
え、嘘どうしよう家の人に怒られる!
早く帰らなきゃ、そんな能天気なことを考えるよりも早く、頭上の物体が目に入る。
「え…?」
それは普通なら有り得ない、巨大な竜だった。
改めてこんにちは、城園ふわりです。
あっとがっきー。
あっとがっきー。
…
今は受験あるけど、暇になったら次もある。