人物紹介
最後に人物紹介。
【夏侯瑛】
登場時24歳。23歳秋に皇后として皇帝の珀悠の後宮に入る。夏侯家の三女。幼名は文姫。
天才かつかなりの変人として有名で、3歳で読み書き計算ができるようになり、文学、歴史学、法学、兵法学、経済学、帝王学、外国語などを修めた才媛。武術も修め、剣術、弓術、馬術が得意。
16歳で従軍する(怒られた)。といっても、軍師としての役割が強く、その役割を求められることが多くなる。18歳の時には、当時15歳の珀悠と共に従軍し、やはり怒られている。珀悠とは気が合いすぎて、様々な事件を起こしている。
黒髪に黒曜の瞳のそこそこの美女。後宮にいるにしては平凡な顔立ちである。眼はたれ目気味。身長、体つきは普通。外見はともかく、魅力的なのは内面だと言われる。
感情がないわけではないが、表情にあまり出ない。あまり笑わない。風を読み、天候を読み、先を知ることができる。その気になれば、深窓の姫君にも高貴な女帝にも剛毅な女傑にもなれる。
珀悠が登極したころには従軍しており、戻ってきたときには彼はすでに登極していた。その三か月後、彼女は後宮に入る。それまでは学術院で教鞭をとっていた。教えていたのは兵法と法学。
後宮の女官や妃嬪たちからはそれなりに信頼を集めている(恐怖ともいう)。先帝の息子である皇太子の教育係兼母親として皇后になったことを自覚しており、それ以外は『職分外』であると豪語する。
でも結局関わってしまうお人よしな面もある。後宮にいるとき、「子供二人(慧峻と珀悠)の面倒を見ているみたい」と言っていた。退位した珀悠について行く。
身長、五尺二寸(156センチ)。
【汪珀悠】
登場時21歳。瑛より3歳年下。彼女を姉の如く慕う。幼名の文姫を連発して怒られるのはもはやおなじみ。彼は最後まで彼女を幼名で呼び続けた。
先々帝の第5公子。母親は崔才人で、身分が低かったために母親の死後、後宮を出て䔥宰相(当時は吏部尚書)に預けられる。そこで瑛と知り合い、彼女と仲良くなる。䔥宰相は珀悠を『自分好みの皇帝』に育て上げ、異母弟を討たせた。
気性はのんびりしているが、呑み込みが早く優秀。武術を教えたのは瑛であるが、剣術だけなら彼女より格段に強い。
20歳夏、瑛が請われて地方へ遠征に行っている間に謀反を起こし、異母兄を討ち、皇帝となる。しかし、本人の意思と言うよりは䔥宰相に操られた感が強い。しかし、傀儡の皇帝ではなく、ちゃんと政を行っている(䔥宰相が権勢にあまり興味がない)。
その三か月後、幼馴染の瑛を皇后に迎えるも、皇太子は異母兄の息子であり、子供ができるとややこしい事態になるため、後宮の妃嬪たちに手が出せずに悶々とする日々(そのたびに瑛にどつかれる)。
黒髪黒目のかなりの美青年。瑛が『超絶美形』と評すほど顔立ちが整っており、長身で中性的にも精悍にも見える顔立ちをしている。性格は穏やかで、優男的印象がある。面倒を見てくれた甘えたの一面もある。
34歳で慧峻に皇帝位を譲り、皇后であった瑛を連れて隠居する。
身長、六尺一寸(183センチ)。
【汪慧峻】
登場時5歳。先帝、つまり珀悠の異母兄の息子。ただし、生まれてすぐ実母をなくし、実父にはほとんど会わなかったため、珀悠と瑛が実の両親だと思っている。呑み込みの早い子。
瑛の妊娠をきっかけに、珀悠と瑛は実の両親ではないのではないかと疑い始める。
18歳で養父・珀悠から皇帝位を譲られる。ややおっとりした、しっかり者に育つ。この時点で身長、五尺八寸(174センチ)。
【寧佳】
登場時19歳。姓名は趙寧佳。瑛が実家から連れてきた唯一の侍女で、暗器を使う。しっかり者で、登極前の珀悠とも面識がある。今のところ、結婚の予定はない。気の強そうな美人。
珀悠の隠居に伴い、瑛について離宮に移動。そのまま侍女を続けている。
身長、五尺四寸(162センチ)。
【彩凜】
登場時28歳。姓名は蘇彩凜。現在の後宮の女官長。先帝の後宮の女官が多く暇を出されたため、珀悠が即位すると同時に女官長になる。妃嬪に居ても不思議ではないほどの美女であるが、本人は女官であることに誇りを持っている。常識人。たまに暴走する。
慧峻が登極したときに女官を辞め、瑛について行く。瑛の侍女をしている。
身長、五尺五寸(165センチ)。
【玉蓮】
登場時16歳。姓名は楊玉蓮。後宮の女官であり、元気な少女。例によって美少女である。皇后夏侯氏を崇拝しているような節がある。
慧峻の登極後、後宮の女官長となる。少し落ち着いた性格になった。
身長、五尺一寸(153センチ)。
【䔥頼敢】
登場時56歳。現在の宰相。先帝のおりに宰相に抜擢されたが、先帝は『君主たる資格なし』とみなしており、かねてから教育していた珀悠を皇帝に祭り上げる。しかし、自分が権力を持ちたいわけではなく、本気で国を思った結果であるらしい。
怜悧な切れ者。10歳になる珀悠を引き取ったのは、いずれちゃんとした皇帝が必要となった時のための保険。思ったより出来がよかったのでそのまま異母兄を討たせた。
瑛の父親とは親友。腐れ縁ともいう。
慧峻が皇帝になった時点では、すでに宰相位を下りている。
【夏侯津】
登場時56歳。現在の礼部尚書で、瑛の実父。学術院、女学校の校長でもある。博識な学者であるが、権力等に興味はなく、ひたすら研究をしていたいタイプ。そのため、よく仕事をしてくれと言われる。
どことなくボーっとして見えるが、締める時はきっちり締めてくる。ある意味宰相より怖い男。䔥宰相とは親友で、腐れ縁。三人娘を自由奔放に育てた男。
諸悪の根源。すべてはこの男の掌の上。官位を返上し、西の領地で悠々自適の研究生活を送っている。密偵を放って後宮の瑛を影から見守っていた。
【魏紅蘭】
登場時51歳。夏侯津の妻。瑛の母親。ニコニコ笑って何を考えているかいまいちわからない人物。三人娘を自由奔放に育てたすごい母親。何でも笑って受け流せるが、怒ると怖い。
【夏侯漣】
登場時32歳。瑛より8つ年上の彼女の長姉。夏侯家を継ぐ予定で、すでに3人の子供がいる。剣術が得意な女性で、剛毅。女学校で歴史学を教えている。夫は王師将軍。
身長、五尺七寸(171センチ)
【夏侯晶】
登場時29歳。瑛より5つ年上の姉。2児の母。彼女は嫁いだ。三姉妹の仲で最も美人。占い師でもあり、彼女の読心術はよく当たる。夫は州刺史。
身長、五尺四寸(162センチ)。
【高琅明】
登場時15歳。美少女顔の少年。100年に一度いるかいないかの天才で、瑛の学術院時代の教え子。瑛を慕い、瑛を追って何故か後宮の妃の一人となった。
後宮では高宝林と呼ばれており、登録名は高明明。瑛の代わりに情報収集にいそしむが、経験が足りないためにうまくいかないことも多々ある。実は、津によって後宮に放り込まれたかわいそうな美少女顔の少年。
声変わりが始まり、後宮を退く。科挙を受けて、一度官吏になるが、珀悠の退位に伴い官位を返上。珀悠と瑛について行き、家令になった。いろいろあって月香と結婚する。
身長、五尺五寸(165センチ)。
【徐月香】
登場時16歳。美人位を賜っている後宮の妃嬪の一人。琅明と仲が良く、男性より女性が好きな少女。理想の女性は瑛らしい。小柄な美少女。
珀悠治世三年目に後宮の一掃が行われるのだが、その時に自ら後宮を出て、科挙に合格していた琅明と結婚している。
身長五尺(150センチ)。
【孫麗純】
登場時18歳。後宮の妃嬪で、昭儀。皇后夏侯氏に次ぐ地位を持つ。小柄で気の強そうな美人で、自分より器量の良くない瑛が皇后であることは不満であるが、彼女の才覚は認めており、現在は後宮で物事を荒立てないように気を付けている(瑛が怖いためである)。
䔥宰相の妻の遠縁。気位の高い少女であるが、良家の子女がどうあるべきか、明確な意思を持っている。気位は高いが、悪い娘ではない、と言うのが瑛の見解。
身長五尺一寸(153センチ)。
【劉華桜】
登場時17歳。後宮の妃嬪で、昭容。孫昭儀に次ぐ地位を持つ。すらりとした長身の美少女。劉太師の孫娘で、いろいろ吹き込まれているようだが、本人は珀悠と瑛が皇帝と皇后でいいんじゃね?と思っている。曲がったことが嫌いな性格で、瑛がお飾りに甘んじているのを見て思わず嫌味を言うほど。でも。そんな自分も嫌い。
自ら後宮を出る。
身長五尺四寸(162センチ)。
【䔥史紀】
登場時27歳。䔥宰相の次男。珀悠の側近。珀悠が預けられたころから彼のことを知っており、瑛との関係も知っている。そのためか、ツッコミに遠慮が皆無である。科挙に合格した頭のいい青年。一応、門下省に所属していることになっている。
身長五尺九寸(177センチ)。
【周奏偉】
登場時35歳。瑛の長姉、漣の夫。王師近衛将軍。精悍な顔立ちの青年で、面倒見が良い男。どちらかと言うとツッコミ気質。
身長六尺三寸(189センチ)。
【汪璃洵】
登場時13歳。瑛が25歳の時に出産。外見と頭の中身は瑛似。性格は珀悠似のおっとりさん。馬術の天才。瑛ほどではないが、天才である。
【汪凛嵐】
登場時9歳。瑛が29歳の時に出産。外見は珀悠似の美少女で、活動的。誰に似たのかいまいち謎の少女。慧峻はしばらく面倒を見ていた玉蓮に似ているのではないかと思っている。
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