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Bloody tea Party  作者: rinon
3/4

#2 女王の見解〜Welcome to a Tea Party〜

最近、紅茶にはまっています。

冬にはミルクたっぷりのアッサムを

夏はフレッシュにオレンジとレモンを乗せたアールグレイを飲みたくなりますね。


あの野花さんがハンドボール部とご対面から2日たった昼休み。

今日も屋上の向こう側に座ろうと席を立つと、

「六槻」

名前を呼ばれる。紅先輩から。

「この間のことに関して話がしたい。今日の5時、駅前のMad Hatに来い。

後、あまり屋上の向こう側には行くなよ」

「要件は了解しますけど、後者部分は受け付けませんからね」

「危険だからいっているのだが…」

僕は呆れた様子の先輩を無視して、屋上へと向かった。


その日の放課後。クラスメイトからMad Hatの場所を聞き、その目の前に立っていた、立ち尽くしていた。

見た目は普通の喫茶店。女子とかがよくいそうな。

とりあえず、入ってみることにした。

こんなにも緊張するのは、我ながら珍しい。

「いらっしゃいませっ」

僕と同じくらいの少年が、愛想よく接客をしてきた。

テンプレート的なのに、印象は良好である。

茶色がかった赤髪が紅茶みたいで、誰かに似ている気がした。

「お好きな席にどうぞ」

そう言われたので、素直に従う。

こういうのは店員の指示に従うべきだろう。

適当な席に座って待っていると、数分後に紅先輩が来た。

「待たせたな」

「待たされました」

ふむ…と少しばかり不機嫌そうに呟いて席に座る先輩は、覚悟をしているような感じだった。

「では、この間のことだが…」

「その度は、お気持ち察します」

「あ、…うん。

で、卯月という女はいつもああなのか?」

「いいえ、いつもはクールなナイスレディです」

まぁ、2週間前までは。

「卯月は何がしたかったと思う?」

少し、言いづらい。

ここで自分で名乗り出るなんて、嫌な感じしかしない。

しかし、僕を見つめる先輩の目は真剣そのものだ。

「僕が、先輩と会ったことをいったら…。

だから、普通に部活に連れてってあげたんだと思いますよ」

「それは普通に、か?」

「はい、普通にです」

多分、彼女は学生としての本分をさせてあげたかったのだろう。それこそ、普通の学生みたいに。

僕は、それを先輩に伝えた。

卯月さんを庇いたかったわけではないが、そんなふうになってしまった。

先輩は理解したようで、うんうんと頷いていた。

「だが、やはり卯月は狂っているな」

「そうですね…」

そこは同意するしかない。

「後、今日部室でこれを見つけたんだ。

だから、遅くなった」

先輩に似合わない言い訳と共に出されたのは、写真だった。

妙に生々しく、赤々しい写真だ。

誰かが、少女を殺している途中のものだろう。

少し濁った銀色の髪をしている少女の髪の毛も見える。

たしか、野花さんもこんな髪色だったような…。

そこで、気づいた。

「これ、野花さんの写真じゃないですか!」

「そうだ、これはねづだ。多分」

「なんで持ってるんですか?」

卯月さんが見たら、間違いなく先輩を殺してしまいそうだ。


ちょうどその時、

「いらっしゃいませっ」

先程の店員の少年の声だ。

「あら、半田君に紅先輩。偶然ですね」

長めの黒髪を、軽くふたつに結わえてある。卯月さんだ。

卯月さんの視線が、写真に向かう。


「…これは?」

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