#0 三月ウサギからの依頼〜Eternal rest mouse〜
はじめまして、rinonと言います。
初投稿となります。
自分はミステリーを書くのが苦手なのですが、いいアイディアが思いついたので書こうと思います。
全ての謎が解き明かされるとき、あなたの想像していた回答はほんとうに正解だったのでしょうか?
#0 三月ウサギからの依頼〜Eternal rest mouse〜
ある日、一人のクラスメイトが僕に話しかけてきた。
別にクラスメイトに話しかけられるのは特別なことではない。話しかけてきたクラスメイトが、特別だったのだ。
弥生卯月、16歳、性別女。彼女はクールで寡黙。何処にでもいるような女性だった。
2週間前までは。
「ねぇ、半田君」
「どうしたの、卯月さん」
「突然でごめんなんだけど、私の話…聞いてくれる?」
「別にかまわないよ」
SHRが終了した後、僕と卯月さんは教室に残った。部活や帰宅など、様々な理由でクラスメイト達が去っていく。
彼女は周囲に人間が誰一人いないのを確認すると、僕と向かい合うように座った。
無意識に姿勢が伸びてしまう。彼女は、重々しく口を開いた。
「私の親友…の話なんだけど」
「あぁ、野花さんね」
「そう、野花のこと…」
野花ねづ。卯月さんの親友であり、ゲーマーで元気いっぱい。卯月さんとは真反対の性格だ。
「彼女、今まで寝ずにゲームとか当たり前だったの。何度注意してもやめてくれないくらいで…」
困ったものよね、と困り笑顔で続けた。
「なのに2週間前、急に糸が切れたマリオネットみたいに眠ってしまったの。一応、私が無理矢理連れては来てるのだけどね」
彼女は寂しそうに微笑むと、奥の席で眠っている野花さんを見て言った。
「なんでねづは寝てしまったの?
どうして、起きてくれないの?
…よかったら、この真実を…ねづの真実を説いて!」
見ていたら悲しくなったのか、卯月さんは涙を流しながら懇願する。
そんな彼女に、僕の思っている真実は伝えられずに二つ返事で了承した。
…馬鹿なものだな。伝えるなら今だったろうに。
少し後悔を残した。
野花ねづは死体である。2週間前、何者かに殺されてしまった哀れな死体である。
そう考えると、彼女は眠ってしまったのというのも間違いではないと思う。
弥生卯月は、彼女の死体の傷跡を綺麗に修理し、それを綺麗に防腐し、今も学校へ何食わぬ顔で連れてきている。
当然、卯月さん自身はそれを理解してきたのだろうが、彼女にとってそのショックはすさまじいものだったのだろう。
だからこうして、野花さんをここへ連れてきているのだ。
だからこそ、理由を知りたかったのだろう。
何故彼女は殺されたのか。彼女は誰に殺されたのか。
そして、僕にそれを依頼した。なぜかは分からないけど。いつか聞いてみよう。
「じゃあ、よろしくね半田君」
まだ目に涙を浮かべたまま卯月さんは、野花さんを(何故か)お姫様だっこで持ち帰ってさっていった。
どうだったでしょうか。
今回は#0プロローグになります。
これから様々なキャラクターが出てきます。
結構個性的かつ不思議っぽくしていきますので、よろしくおねがいします。