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GIRLS FLEET ~竜を狩る公女(プリンセス)戦記~   作者: 九重七六八
2巻 パンティオン・ジャッジ メイフィア王国編 2
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第11話 リメルダさんピンチです!(1)

リメルダの○ロピンチ~。準ヒロイン、ここで盗賊団の前に散ってしまうのか~w

「へへへ……。抵抗したって無駄だよ。公女ちゃん、降伏しなよ」


 盗賊団のボスが拡声器を使って降伏勧告をしている。


 第2魔法艦隊旗艦ブルーピクシーが森に不時着してから、しばらくしてこの森に巣食う盗賊団の一味が襲ってきたのだ。狙いは第2公女リメルダ・アンドリュー公爵令嬢。捕らえて身代金を要求すれば、破格の大金を手にすることができるのだ。


 このチャンスを盗賊団が逃すはずがない。しかも、とびっきりの美少女ときている。捕らえれば、男たちにとっては帰すまでに散々、弄ぶことができる獲物だ。

盗賊団は魔法弾を激しく撃ち込み、威嚇する。乗組員と仮のバリケードを築いて応戦しているリメルダは、30人近くいる盗賊団にくらべ、こちらは10人もいなく、しかも自分もナアムもデストリガーに魔力を使い果たしていた。今は非力なハンドガンでわずかばかりの魔力を乗せて撃つことしかできないでいた。


「くっ……魔力さえあれば、あんな連中なんて!」


 リメルダは歯がゆかった。自分の魔力が健在なら、もっと強力な武器で30人ぐらい吹き飛ばせる自信はあった。だが、現実は魔力付与のマジックアイテムである機関銃やアサルトライフルで武装する盗賊団の前に風前の灯火であった。


「姫さま、ここは私たちが防ぎます。姫さまは逃げてください」


 そうナアムがリメルダに言った。戦っている乗組員全員の気持ちだ。負傷して倒れている者も含めて、この公女のためには命を捨てる覚悟ではあった。


「ダメ。できないわ!」

「しかし、姫様。奴らに捕まったらひどいことをされます」


「奴らの目的は私一人よ。私を人質にとって身代金を要求するつもりだわ。お金が入る前に私を辱めるでしょうけど」


「だから、逃げてください」

「私はここで自決します。そうすれば、奴らは攻撃してこないでしょう」


 そう言うとリメルダは頭に魔法銃を向けた。だが、盗賊団の行動が早かった。突入してきた数人によって、乗組員が人質に取られたのだ。ケットシー族のナアムも大きな網をかぶせられて捕らえられてしまった。


「公女ちゃん、君が死んだらここの連中は全員皆殺しだよ~ん」


「おとなしく我々のモノになれば、乗組員の命は保証する」


「くっ……。卑怯な」


 リメルダとしては、大事な乗組員、そして親友であるナアムの命を見捨てることはできない。


「ダメです! 姫さま、私たちのことなど、気にしないで!」


 ナアムが必死で叫ぶが、盗賊団の男の一人に蹴り上げられてしまう。


「わ、分かりました。銃を捨てます。あなたがたに捕まりますから、乗組員の命は保証してください」


 リメルダは毅然として言った。そして銃を置くと両手を頭の後ろで組んだ。


「さすがは、第2公女。潔い態度、感服した」


 ひげズラの中年男がアサルトライフルを肩に担いで、盗賊の集団から前に出てきた。かしこまっている盗賊どもを見るとリーダー格らしい。


「俺はこの盗賊団、炎の猿神団のリーダー、名をベックと言う。あんたは、確か……」


「リメルダ・アンドリュー」

「そうそう、世界を救う第2公女、リメルダ姫様」


「……」


「おや、沈黙ですか?それとも、我々のような下等な人間には声も聞かせられないのですかな?」


 そういうと、立っているリメルダの軍服の胸元を両手で掴むと引きちぎった。ブチブチっと、ボタンがちぎれ、下着越しに胸が顕になる。リメルダは、恥ずかしさで思わず両手で胸を隠した。


「あんたの気持ち次第で、部下は助かるんだ。高貴なお姫様の柔肌を部下どもに見せてやってくれや」


「おおおっ!」

「ヒューヒュー」


 盗賊どもがはやし立てる。


「プッ」


 リメルダはつばをはいた。自分を辱める盗賊団リーダーのひげズラの顔にかかる。ベックはそれを手で拭うとクンクン匂いをかいだ。


「高貴なお姫様は、唾液もかぐわしいバラの香りがする。気の強いお姫様だ。いいだろう。気の強い女を落とすのもまた一興。飽きるまで可愛がってやる。それから、身代金を要求してもオヤジの公爵閣下は金貨1万枚でも2万枚までも出すだろう。おい、このお姫様を縛りあげろ!」


 そう部下に命ずる。リメルダは後ろ手にロープで縛り上げられ、盗賊団の馬車の荷台に押し込められた。


「おい、乱暴に扱うなよ。まずは、俺が味見をするのだからな」


 そうベックは言い、舌なめずりをした。今晩は楽しい夜になりそうだ。


(ちぇっ、お頭、自分だけで楽しむつもりだぜ)

(いつもそうだからな)

(飽きるまで遊んで、その後、俺たちに回してくれるけど、大体、壊れちまってるんだよな。お頭、女の扱い、乱暴だからな)


 部下たちは小声で不満を囁いたが、命令には逆らえない。


「お頭、お姫様以外の連中はどうしますか?」

「馬車が出たら、殺せ。奴らは金にならない」

「了解」


 リーダーの乗った武装馬車は、森深くにあるアジトへ向かって姿を消す。


「姫さま~っ!」


 ナアムがその消えた方向に向かって力を振り絞って叫ぶ!


「うるさい! この猫め! 今、乗組員と一緒に始末してくれる」


 そう言って、盗賊どもが始末しようと行動を開始したとき、上空が何かに覆われ、暗くなったのに気づいた。上を見上げた盗賊どもは驚いた。


「な、なんだ! 空中武装艦? 国軍の砲艦か!」


 砲塔が地上の盗賊団に狙いを絞る。それが光ったかと思うと、ボスっと煙の爆弾が破裂し、盗賊団20名は一斉に気を失った。スリープクラウドの魔法弾である。


 人質であるブルーピクシーの乗組員もその影響で眠りこけてしまうが、魔法耐性能力の高いナアムは、少しだけ意識が残った。上空の砲艦から2人の人物が降りてくるのが見えた。一人は人間だが、もう一人は身長からして自分と同じケット・シーだと思った。しかも、近づくに連れて見知った顔だと認識した。


「あ、あなたは……ジェ、ジェファー……」

「ナアム、久しぶりだにゃ」

 

 トラ吉はそっとナアムを抱き起こす。ナアムは一瞬ホッとしたものの、すぐさま、自分の主人の危機が頭の中を支配した。


「ひ、姫さまを……た、助けて……」


「ああ、分かっているにゃ。旦那、公女様を追いますにゃ。幸い、探知魔法で追跡できそうだにゃ」


「トラ吉、すぐ行こう。ナセルは乗組員の救助を。盗賊どもは縛り上げて後で治安部隊に引き渡そう」


 平四郎はリメルダが連れ去られた方向を見た。探知機ではなく、自分の感覚で何故か分かるのだ。何だか、リメルダの存在が身近に感じるそんな不思議な感覚だ。


 それはあのフィンと経験した(コネクト)と同じであった。



来る、きっと来るw

平四郎の無双チートわざで大暴れ!

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