かのじょのこと。
「へぇ、高校生なんだ」
「はい、今日は寄る所があって早目に行くつもりだったんです」
彼女の傘に入れてもらいながら(もちろん、俺が持ってね)、朝飯を奢る為に喫茶店へと歩く。
「じゃあ、無理に誘って悪かったかな?」
「あ、いいえっ。今度にしますから、時間、大丈夫です!」
焦ったように否定する、彼女の態度も何もかも可愛い。
なんなんだよ、この娘。
俺をきゅん殺しする気か。
「ならいいんだけど……。あ、そういえば名前言ってなかったよね」
「あ」
ホントだ、と笑う姿も愛ら……以下略
「俺、宮下 遼平」
「綾小路 桜子と申します」
あーやーのーこーおーじーさーくーらーこーっ!!
綾小路きたぁぁぁっ!
だから何さ! 今日は王道day??
意味わかんねーけど、分かんなくてもよし!
なんかもう、テンション上がりすぎて走り出したい位なんだけど!
「そっか、可愛い名前だね」
王道だから、こんなベタなセリフ吐いてもいいよなっ。
「あ、ありがとう……ございます」
俯く様に伏せたその頬は、桜色を通り越して真っ赤に染まっている。
こんな純情な子、俺会った事ないんだけど!
不思議ちゃんでも許す!
桜子ちゃん限定で、許す!
ホントもう、泣きそう。
今日、寝坊した俺、よくやった!
時間通りに鳴らなかった目覚まし時計、よくやった!
喫茶店について、傘をたたむ。
「ここでいい?」
そう聞くと、嬉しそうに頷く桜子ちゃん。
あぁ、可愛い。
そんな感じでテンション上がったまま、喫茶店のドアを押し開けた。




