長袖女。〜PART3〜
う〜ん・・・・
やっと学校が終わった。
といっても今日はまだ、
授業がないからマシだけど。
明日からは地獄の授業だあー。
でも、何だかウキウキしている。
だって、俺の横には、
謎の転校生。
こんなヒステリアス(←正しくはミステリアス)な
ヤツは初めてだ。
彼女は今、何を考えているのだろう???
「おい、斉藤斉藤ッ」
声をかけてきたのは水野。
「なんだよ」
「お前今日暇?」
「用事はないけど、なんで?」
「ちょっと俺に付き合えよ」
「え〜、俺そんな趣味じゃねえよ」
「ちげーよ、馬鹿!俺の用事に付き合えって言ってんの」
「やだよ」
帰ろうとする俺を、
何としてでも引き止めたいのか、
俺の服の裾を掴んで離さない。
「話だけでも!!」
「・・・何の用事?」
「俺、あの子、二宮さん。何となく気になってさ。今日尾行しようと思うんだ」
「えー!!ストーカーじゃねーか!!やだよ、一人でやれよ〜!」
「悪い話じゃねーだろ??お前も気になってるくせにー」
「き、気になってねーよ」
「嘘だね」
「嘘じゃねーよ・・・。多分」
結局、俺は水野につきあう事にした。
「おい、斉藤絶対見つからねーよーに、慎重にな」
「わかってら」
俺達は少しずつ、二宮さんの後をつけていった。
彼女は、一人でスタスタ歩いていく。
そして、彼女とすれちがったどっかの女子高生が、
「こんなクソ暑いときに・・・アイツ頭おかしーんじゃね?何でカーディガン着てんだろ」
と、笑っていた。
こんなに大きな声では彼女の耳にも入ったはずだ。
でも、依然彼女はそれを気にとめる様子もなく、
スタスタ歩いていく。
と、その時。
水野の携帯が鳴った。
「もしもーし。あ、セイラちゃん♪え?部活急に休みになったの?」
・・・嫌な予感がする。
「え〜、今男友達と遊んでて・・・」
水野が、求める目で俺を見ている。
「行けよ」
俺は仕方なく言った。
「あ、友達が行ってやれって!今からすぐ行くよ!」
ピッ。
「へへ、悪いな、水野」
「調子いいやつ」
「尾行の続きはお前一人でやってくれ」
「え?!そんな・・・・」
俺が文句を言う暇もなく、
水野は風のように行ってしまった。
帰ろうかな・・・
でも・・・・・
知りたいな・・・・・
結局、俺は一人で尾行を続行していた。
『何で俺が一人でバカなことやってんだ』
その理由は俺自身にも分からない。
五分ほど歩いた頃。
彼女は、一人でアイス屋に入っていった。
『アイス屋???』
気になって、俺も入ろうとしたら・・・・
彼女は、自動ドアのすぐ向こうに立っていた。
俺をじっと見る。
『やべえ!!!!!』
「あなた、私の事ずっとつけてたでしょ」
やばい!!!!!