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A.D.2222  作者: 日渡正太
第3話 未知なる敵
25/32

Episode 25

 第33機動部隊所属の駆逐艦「スターベル」艦長ライア・ライオットは、0.5宇宙マイル(約800キロ)先を行く、空母「ブルーウィル」の艦尾を、艦橋の大型モニターに映して眺めていた。


 駆逐艦「スターベル」は空母「ブルーウィル」の直衛艦という立場であり、常に付き従って護衛するのが任務だ。


 光学観測システムがとらえた、800キロという、宇宙の感覚で言えば目と鼻の先の距離にいる空母の大きな尻を、焦燥と、多少の怒りと不満を持って見つめるライア。


 長い黒髪をうっとおしそうにかきあげて、溜め息をつき、キャプテン・シートの傍らに置いたポーチから、コンパクトを取り出して眺める。


 少々、目尻に小じわが目立つ年齢になってきた。

 宇宙線は肌に悪いと聞くが、今さら職業を変えるわけにも行かない。


 それに、まだ若い(と自分では思っている)女にしては目つきか険しい。

 まあ、長いこと軍人なんて商売をやってきたんだから、これも仕方ないだろう。


 ライアは再び溜め息をついてポーチにコンパクトをしまい、またも忌々しげに「ブルーウィル」の艦尾を眺める。


 砲雷長のゴステロ・ゴーグが、キャプテン・シートに歩み寄って来た。

 駆逐艦には副長がいないので、実質彼が艦のナンバー2である。


「姐さん、聞きましたか? 例のウワサ」

 ゴステロはいかにも内緒話というふうに、ライアの耳に口を寄せた。


「何だい、ウワサって?」

 いかにも何も知らないという風を装って、ライアは答える。


「『ブルーウィル』のセリカ艦長と、クオレ航海長ですが……」

「…………」


「ご婚約されたという話で……」

「……それが、あたしに何の関係があるんだい?」


 少々怒気をはらんだ声で答えるライア。


「一言、言わなくていいんですかい?」

「…………」

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