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A.D.2222  作者: 日渡正太
第3話 未知なる敵
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Episode 22

 宇宙空母「ブルーウィル」艦長、セリカ・セレスターは、艦橋のキャプテンシートに座って、隊内電話を耳に当て、艦隊司令部とのやり取りに多忙を極めていた。


「……じゃあ、残りの補給は、バート星系の手前で受けられるんですね!? え、うちですか? 燃料はタンク3分の1です。戦闘入ったらすぐ動けなくなりますよ! 本当にお願いしますよ! 会合地点は送ってくれました? じゃあ、ください!」


 電話の相手は旗艦「レドヴィサン」に乗っている、第33機動部隊司令部のブッシュ・ノース先任参謀だった。


 第33機動部隊司令部には2名の参謀がおり、そのうち後任参謀のシーレイ・ユーシズは士官学校の後輩なので、彼のほうが話がしやすいのだが、向こうは向こうで忙しいらしく、捕まえることが出来なかった。


 そのため、軍では大先輩であるブッシュ先任参謀を相手に交渉を行う破目となったが、止むを得ない。


 普通の航海なら、出入港や戦闘、訓練など、特別な場合を除いて、艦長がキャプテンシートに詰めている必要はないのだが、今は仕事が山ほどあった。


 艦隊の各艦がネオムーン基地で受けられた補給は万全ではなく、目的地であるアーロン宙域で敵と対峙するまでに、途中のどこかで燃料弾薬を補充する必要があった。


 これでも、ネオムーン基地の補給廠としては、出せるだけの燃料と物資を供出してくれたのであるが、急な出撃のため、とても第33機動部隊の全艦の腹を満たすだけの必要量を用意できなかったのである。


 普通の作戦行動の場合、軍艦は行きに燃料の3分の1、現場での戦闘に3分の1、帰りに3分の1を使用するのが相場だ。


 アーロン宙域で戦闘して帰ってくるのに、何も全艦のタンクを満タンにまでする必要はないのだが、今の状態では、敵との戦闘に突入して早々に艦隊は燃料切れで立ち往生することになる。


 幸いにして司令部では、うまく補給の算段をつけられたようで、戦場であるアーロン宙域の少し手前、バート星系の付近で、補給艦と会合できることになった。


 ネオムーン基地で結局受け取れなかった201空のアローミサイルも、その時に最新バージョンのものを渡してもらえる手筈になっていた。

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