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最後の扉◇アインシュタイン・エレベータ

 黒の喪服を着てベールの付いた黒の帽子を被った比較的若そうなご婦人『マーサ』は、赤いベルベットの生地で張られたキャブリオレのカウチソファから立ち上がっていた。

 その傍らの、縞模様が世にも珍しい水色の猫の『ドド』さんは、チタンブレードの長剣を鞘に収めて腰に帯刀して、マーサをエスコートしようとしていた。

 マーサとドドさんがいる『アインシュタイン・エレベータ』と呼ばれた部屋は、アイリス・ステンドクラスが嵌め込まれた小さな窓から差し込んでいた夕陽はすっかり沈み、部屋の中はすっかり帳が下りていた。

 そのお陰で、毛足の長い真っ赤な絨毯は濃い紅色になり、アンティークでデコラティブなチークの装飾も暗くなった部屋ではすっかり目立たなくなった。

 そして、部屋の正面にはまるでエレベータのように両開きのドアが開いていて、そこからは強烈な白い光がほとばしっていた。

「結局、ここに来てしまうのね」とマーサ。

「もう一度、やり直すのかい?」とドドさん。

「いいえ、もうやり直さないわ」と溜息をつくマーサ。

「ホントに最後だと?」と問いただすドドさん。

「えぇ、終わりよ」と言って、マーサはドドさんを向いて微笑んだ。ドドさんもマーサに向いてニヤリと笑った。

 一人の女と一匹の男は、白い光が部屋に溢れ出している、開け放たれた扉にゆっくりと歩き出した。

 最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

 皆様の率直なご意見、ご感想に耳を傾けたいと思っておりますので、この作品の感想欄または「空想科学祭FINAL」の感想板にお書き込みをしていただけるとありがたいです。

 また「空想科学祭FINAL」の企画サイトには、もっと素敵なSF作品が目白押しですので、そちらもお読みいただけたらと思います。


 ※ 当作品の内容は、サイエンス・フィクションであり、実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません。

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