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フィンガーラック

 俺たちの住んでいた区は、タコ型のMKによって陥落した。この日は、俺の門宮ソロの17の誕生日だった。

 朝から降る雨に気分が下がっていた。

 家族みんなが揃っての誕生日会に下がった気分も取り戻しつつあった正午の昼時この時が一番雨が強く、雷も鳴っていた。

ケーキに刺さっているロウソクの火消そうと息をかけた瞬間ピカッと雷が落ちるそれと同時に窓際で人影が見える。「だれかあそこに」窓を指さして言おうとしたその時長い触手が窓を割ってそれは家に乗り込んできた。俺たちは、慌てて家を出た。

「早く車に!」父親が急かす。激しい雨の中三人全員が素早く車に乗り込む。

父親が力いっぱいアクセルを踏んでかっ飛ばす。どうやら奴は、こちらに来ていないようだ。

胸をなでおろして外をみる。雨がだんだんと強くなってきた。

「みんなついたぞ。ここまでくれば大丈夫だろ。」俺たちがいた八区と隣の区の三区の境界の町に着いた。俺たちがいた八区よりかは雨が降っていないがポツポツと振っている。この町は八区でとれた海産物をよく好んでいる。そのため、八区の店よりおいしい店が多いことで有名だ。俺たちは、この町のコンビニで休もうと車を進めた。「にしてもなんだか湿気が凄いな。こんなに蒸し蒸ししてるなんて久しぶりじゃないか?」

父親が暑苦しそうに言う。全員がMKから逃げれたと思い安堵している。警察やフィンガーラックにも連絡をし終わりコンビ二でアイスを食べながら休憩していた。

 俺は、アイスを食べ終わり車から出てごみを捨てようとドアを開けて降りた瞬間車のリアウインドウが割れた。とっさに後ろを振り返るとタコの触手が車を貫通していた。「うわああああ。」俺はとっさに逃げ出した。車に乗っていた親を置いてその場から走り出してしまった。


 気が付いたら俺は見知らぬ路地裏に向かって走っていた。路地裏を通て行ったら建物が一つ分入りそうなくらいの広さの場所に着いた。ここどこだ?見知らぬ土地だから余計にわからない。あの化け物から逃げれたか?人の気配は感じられない。俺は親を置いて逃げてしまったことの罪悪感が込み上げてきた。

 このままではいけないと思い何処か人のいる場所に行こうとしたら足音が聞こえてくる。さっきのMKが追ってきたのか?不安と恐怖に駆られて俺は、無造作に捨ててあるビニール傘を手に持った。だんだんと近づいてくる音が俺の体を震わせた。

 俺が、息をのむのと同時に奴の顔が見えた。さっきのMKが追ってきたんだ。ここには逃げ場がない。目の前のMKはさらに俺を逃がさないように触手で俺の逃げ場を奪う。「俺もここで死ぬのか…」最後の抵抗だと思い俺はMKの攻撃を傘で何とか弾く。俺を囲んだ時より遅く攻撃してくる。まるで俺を弄ぶかのように。腕がしびれて動かない。もう無理か。諦めかけた瞬間どこからか声がした。「危ないからしゃがんでね~。その次は、ジャンプだよ~」何とも気が抜けた声の通りに体を動かす。実際に触手はその通りに来た。

 攻撃をかわしたら、上から買い物後のシスターが下りてきた。「そこに君大丈夫~?まぁお姉さんが来たから安心していいよ。その代わりにこれ持ってて」そう言われて彼女からビニール袋を渡された。「さ~て頑張るぞ~っと」言葉が終わるころにはMKの懐に入って右ストレートをぶち込んでいた。「う~ん?なんだかダメージがあんまり入ってなさそうだな~。粘膜のせいかな?じゃあこれでどうだ?」シスターはいったん距離を置いてそう言うと今度はどこからかメイスを取り出した。 

 シスターは、あんまり効いてないように言うが俺の目には苦しんでいるように見える。だって、MKがシスターに殴られたところを左手でわしづかみにしているからだ。MKが怯んでいるすきにメイスで殴りかかるシスターは少し怖かった。攻撃が当たると同時にMKの肉片が飛び散る。俺の隣でタコ足がうねうねしている。「大丈夫だった?どこか怪我とかしてない?」MKの蒼い血が付いた顔でシスターは俺に手を差し伸べる。「まだMKが!」MKの触手がこっちに向かってくる。それでもシスターは俺に手を差し伸べる。シスターにあたる瞬間触手が切れた。「シスター、これって今日の晩飯ですか?」「そうね今夜はタコパーティーかしらね。」瀕死のMKを横目に黒髪の少年がシスターと夕飯の話をしている。

 それをいいことにMKがタコ墨をこちらへ飛ばしてくる。少年が俺が持っていた傘を取り上げて防ぐ「まだ元気があるみたいだなこのMK。なら、部位ごとに切り落とすか。まずは、逃げられないように足からだ。」少年が切りかかり片方の足を切り落とすと墨を吐き姿が見えなくなった。「また目くらましか。さすがに逃げたか?それとも隠れたか?シスターは分かります?」「ええ、そこにいるわよ」そう言うとシスターはごみの山に向かって指をさす。それを確認した少年は刀を横に振る。すると風圧でごみが散乱すると同時に壁がへこみドサッと何かが落ちる音がした。「さすがシスターあたりだね。それじゃあここは僕が後片付けをするからシスターはそこの人をお願いします。」シスターの手によって何が起こったのか詳細は分からなかったがとりあえず俺はシスターと一緒に親がいたコンビニに向かった。

 そこにあったはずの親がのっていた車はあとから来たフィンガーラックたちによって撤去されていた。「さっき連絡があったんだけど…君の両親どうなったか聞く?」シスターは悲しそうな顔をして言う。

「いや…いいです。シスターのその顔を見ればどうなたっかなんてわかりますから。」MKの触手が車を貫通するほどだったんだ、それに俺をすぐには追ってこなかったんだから考えたくはないけどきっともう…

 行くところがなくなった俺にシスターはある提案をしてくれた。「君どこか行く当てあるの?ないなら私たちが住んでいる基地に来ない?一人くらいなら保護ってことにできると思うし」 俺は親以外の親族はいないので行くことにした。基地に向かう道中シスターがよるところがあると言い教会に行った。なぜ?と聞くとMKと戦った際には弔いもかねて祈るのだそうだ。

 基地に到着してまずは、事の詳細を聞かれた。だから俺は一から説明した。俺の住んでいた8区から追ってきたMKだということ、この3区で休憩していたらまた襲われたこと。それと俺の悲しみ。

「それじゃあ今日からよろしくね。今日の夕飯海鮮なんだけど食べれる?」俺は首を横に振る。

この基地に住んでいるのは俺を含めて六人。シスター以外の八人は今は仕事でいないらしい。この日は、用意してくれた夕飯を食べてすぐに用意してくれたベットで寝た。


 シスターが基地の案内をしてくれた。昨日は俺のことを思ってくれたらしい。基地の設備は食堂やトレーニングルームなどの俺が想像したような基地だった。一通り案内されたので午後からは時間ができた。俺は両親との最後のお別れをしに行こうと思い外に出た。

 基地を出て少ししたところに何か落ちていた。(クマのぬいぐるみ?)こんな基地の目の前になんで落ちているんだろう?落とし物だと思い俺は交番に届けようと手に持とうとした瞬間ぬいぐるみが顔に張り付いた。「んんんんんん」息ができない。引きはがそうにもはがせない。誰かがこっちに走ってくる音が聞こえる。「大丈夫ですか!?今はがすの手伝います!」俺は右手の親指を立てる。二人がかりでもなかなか離れない。そこにもう一人助けが入ってようやく引きはがせた。引きはがしたぬいぐるみはさっきまでとは違いぐったりしている。俺を助けてくれた二人はすぐにどこかに行ってしまったので基地に戻ってシスターに相談しようと基地に戻った。

 基地に戻りシスターに相談する際もぬいぐるみは動かなかった。不思議そうな顔をしたシスターはどこで拾ったのか確認したいと言ったのでもう一度さっき死にかけたところに向かった。

 襲われたところに着くともう一度ぬいぐるみが動き出した。「ホントに動いて襲ってきた~」相変わらずのんきなことをシスターは言うがすでに戦闘モードになっているのを見逃してはいけない。ぬいぐるみがシスターに真っすぐ向かってくるがシスターはいとも簡単に掴み四肢を捥ぎ体を引き裂いた。綿が空中で待っているど真ん中にシスターがたたずむ。放り出したぬいぐるみの四肢がドサッと落ちると同時にシスターに向かって飛んでくる。「わっ、なんか飛んできた!」俺が窒息しかけたよりも何倍も早く飛んでくる。それをいとも簡単によけ続けるシスターの顔には余裕がありそうに見えた。

「新しいMKだねこれは。どうしよっかな~。う~ん。燃やしてみよかな。」飛んでくるぬいぐるみの四肢を一つ掴み地面にこするつける。その瞬間火が付いた。勢いよく燃える腕か足を振り回して他の部位に火をつけるその姿はまるで踊っているようだ。

 メラメラと燃えるぬいぐるみ見ながらシスターは何処かに連絡を取っている。「今連絡したからそのうち回収班が来ると思うよ。それにしても君は不運だね。もしよかったら君も組織に入る?そしたら君が襲われてもすぐに連絡が取れて助けに行けるし。どうかな?」シスターの提案はとてもうれしいが組織に入ることは俺もMKと戦わなくてはいけないことになる。

 「すみませんが、そこらでやめてくれませんか?それはお嬢様のお気に入りなので。」声とともに火が消え、中から黒くなったぬいぐるみをもった老執事が出てきた。白い髪の高身長のいかにもって感じの優しそうな人に見える。俺のそんな印象とは違いシスターは臨戦態勢に入る。

 「そんなに怖い顔しないでくださいよ。私はただ逃げ出したこのぬいぐるみを回収しに来ただけですから。それではここらへんで失礼します。」老執事がいなくなるとシスターの緊張がゆるんだ。「大丈夫ですか?」「あの老人が敵対しなくてよかったわ」冷や汗をかきながら彼女は言った。

 結局あのぬいぐるみは謎の老執事によって持っていかれた。誕生日の日から不幸なことばかりだ。疲れた足でシスターと一緒に基地に帰ると入口に黒い本が落ちていた。「なんだこれ?」「誰かの落とし物かしら?とりあえず私たちで預かっておいて、持ち主が見つかったら返しましょう。今日は疲れたから休みましょう」やつれた声でシスターは教会に向かった。

 俺は自室に戻った。さっき拾った本を開いてみることにした。何も書かれてはいない。だけど紙だけはひどく古いように見える。本の最後のページを開くと黒い何かが飛び出してきた。「貴様が俺を起こしたのか?まあいい、この俺様を呼び起こしたんだから貴様には契約をしてもらう。」黒い影のようなものは金色の指輪を渡してきた。「え?へ?ありがとう?」「んだよ。乗り悪いな。俺は目覚めたばっかであんまり姿出せないからな。じゃあな」黒い霧は本の中に吸い込まれていった。何が起こったかわからなかった。

 だけど俺の考えはもう決まった。

終わり方が適当になってしまったのが申し訳ない。着地点が分かんなかったんです。続きそうな雰囲気を出したかったんですが実力が足りなかったです。

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― 新着の感想 ―
顔に張り付いて窒息させにくるクマのぬいぐるみって楽しいしワクワクする感じがした。
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