エピローグ
平和な学校での、ほぼ柚葉と玲子の会話です。
キーン…コー…ーン
あれから数日後、ようやく暖かくなり、校庭に植えられた桜も少しずつ咲き始めてきた。今日も桜と翔は元気に登校している。玲子はそんな桜の姿を見て安堵していた。
「最近は寝不足も解消されたみたいだし良かった良かった。」
しかし柚葉は最近の桜と翔のやり取りにちょっと違和感を感じていた。
「あの二人、前と何か雰囲気違わない?何か聞いてる?」
そう?と玲子は首を傾げる。二人を見てみると相変わらず言い合いになっている。
「なんっか怪しいんだよね〜。」
柚葉が頬杖を付きながら不貞腐れる。玲子はそんな柚葉を見て、フフッと笑う。「何よ〜」、と柚葉が剥れる。
「だって、あんなに二人をくっつけたがってたのに、いざそうなるとやっぱ寂しいんだなって。」
柚葉は玲子の言葉を反芻し、そして興奮して玲子に尋ねる。
「「いざそうなると」……っていうことは、やっぱり何かあったの!?」
「さぁ、知らな〜い。」と、玲子はどこかへ去って行った。
「なんなのよ〜っ!!教えろ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
納得いかない柚葉の、心には収まりきらない叫びが、校内にこだまする。
そんな慌ただしく平和な学校の校庭を、風に煽られ散った桜の花びらが一枚、天高く舞い上がっていった。
柚葉と玲子の会話で、桜と翔がどうなったのか、なんとなく察してください(笑)ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。皆さんの心がこの物語を読んだことで少しでも温かな気持ちになっていただけたら幸いです。