わたし、とは?
日が落ちると共に
月は浮かび上がる
街並みは眩しい光に包まれ
閑静な住宅街には
街灯のぼんやりとした光
吹く風はどこか冷たく
私の体温が上がっているのか
いや下がっているのか……
行き交う人の波と
誰もいない道と
誰かと一緒にいれば満たされ
一人になれば空っぽになり
一人ということを受け入れられない
私は一人でも生きられる
そんな生き物だと思っていた……
大きな間違い
私の中に残るものを取り出そうとした
そこでようやく気付いたのだ
私の中には私がいなかったのだと……