三
あああーーー!!!
ちゃんとかけていたのに…。
投稿することを忘れていました。
本当にごめんなさい…。
響夜の家に辿り着く。一人で住むには些か広いその家を沙枝が眺めていると、ふと燥耶が口を開いた。
「そういえば沙枝、《炎花》はどうした?俺の手元には残らなかったから、てっきり沙枝が持っているものだと。」
「あ。」
「…どうした?」
「昨日の晩野宿した場所に置いてきちゃった…。」
「…取って来い。」
「…うん。」
急いで《炎花》の元へ戻る。《炎花》は…、拗ねていた。
〈何で私を置いて行ってしまうんだい。沙枝が燥耶と会えたことは、燥耶の大きな喜びが伝わってきたから分かったけど。二人は私を置いて行ったら身を守るものが何もないんだよ?これでも心配したんだからな。〉
〈ごめんって。それより、燥耶のところに行こう?やっと会えるよ。〉
〈全く…。とにかく、これからは気を付けてくれよ。〉
〈分かった。早く行こう?〉
〈ほんとに分かったんだか…。〉
こうして《炎花》も燥耶との再会を果たした。柄にもなく感動したような《炎花》の声が聞けたのが、沙枝には面白くてたまらなかった。
それからしばらく、沙枝は燥耶の看病に明け暮れた。響夜が燥耶にやってくれていたこと全てを引き継ぎ、響夜が燥耶についていた時間の何倍も、それこそずっと燥耶のそばにいた。沙枝にとって、燥耶のそばにいられることも、燥耶が元気になっていく様を見られることも、幸せなこと。そのためだったらどんな苦だろうといくらでも耐えられるのだ。むしろ苦とも思っておらず、そんな自分に驚いた。
一人で歩けるようになり、走っても息が上がりにくくなり、また《炎花の遣い手》として舞えるように、燥耶がなった頃。沙枝は看病に専念することでずっと考えないようにしてきた問題に、向き合わなければならなくなった。
これからどうするか、ということである。
とにかく沙枝は、燥耶のそばにいられればそれで良かった。でも、だからこそ、燥耶に危険な目にはあってほしくなかった。一人で考えても、答えは出ない。そう思った沙枝は、燥耶に聞きに行くことにした。
体力づくりとして彼が日課にしている遠駆けから帰ってきた燥耶に、沙枝は声を掛ける。
「ねえ燥耶。…ちょっと、いい?」
「どうした?」
「これからのことなんだけど。…どうする?一応、夜継には見つけたら帰ってこいって言われてるんだけど…。」
「…そうだな。そろそろ、俺も沙枝に話をしようと思っていたところだったんだ。」
なぜかそこで、燥耶は一息置く。
「なあ、沙枝。実は俺は、ずっと考えていたんだ。…本当に夜継様のために働くことが、神々が望んでいることなのか?」
「そ、燥耶…。それって…。」
「今、俺たちは自由だ。沙枝のおかげで。これって、またとないチャンスなんじゃないか?クナイの窮状から、皆を、そして俺たちを解き放つための。」
「どうするつもり…?」
「俺は覚悟を決めた。
戦おう。沙枝。一緒に、夜継を倒すんだ。
…一緒に、来てくれないか?」