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40秒で仕度しな!
鬼気迫るレビの声が、恵の声を遮った。レビは暫く目をつぶって、感覚を集中しているようだった。
「俺のトラップを燃やしてるやつがいる…。たぶん将軍ヴァリトラ。」
「ヴァリトラ…。」
恵は危機を反芻するように名前を繰り返した。
「厳しいねぇー。しかも俺と相性最悪だから、随分前から実はバレテたねコリャ。」
レビは手を広げ、参ったねとおどけたポーズをとった。
「敵までまだ200M以上はあるし、こちらの詳細な位置は掴んでなさそうだね。植物で建物はカモフラージュはしてあるけど、ここが見つかるのも時間の問題。」
レビは再び目を閉じて集中した。
「敵は最低で5人…かな。ヴァリトラを先頭に、トラップを燃やして、北から距離をとって探索と相互に補助を兼ねる位置取り。北以外はがら空きだけど、伏兵置いてるだろうね…。」
少し考えてレビは言った。
「ゆっくり探知しながら包囲を抜けてる時間の余裕はないね。距離が狭まって、全滅する可能性が高まる。南西に抜けてみようか。」
レビは目を開けると、少し楽しそうに全員に指示した。
「40秒で仕度しな!!」