表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

包丁の使い方

突如レビに向けられた包丁に、司の心拍数があがる。


「司はこの包丁をどう使う?」

レビが尋ねる。


「どうって…。野菜を切ったり…。」


「……普通はね。でも、この包丁は人を刺すこともできる。逆に人を守るための武器とすることもできる。要は使い方次第。」

レビは包丁を少し上に投げて半回転させると、今度は柄の方を司に向けた。


「オーディンは力を世界の支配に使おうとし、おれ達はそれを止めようとしている。」


「能力者は貴重なんです。私達ノルンが保護できれば、安全な場所に匿います。ただ、オーディンに拉致されると…。」

そこまで喋り、北条恵は口ごもった。


代わりにレビが話し出す。

「…もし、オーディンが先に司を拉致すれば、オーディンへの忠誠を誓わせる。従わない者は監禁され、従うまで拷問にかけるか、その場で殺される。」


「拷問…。殺す…。」

なんだか恐ろしい言葉だが、司には実感が沸かない。


「力を組織のために使わなければ、自分達を脅かす者とし、殺すのです…。能力者を止められるのは、能力者だけですから。」


司はごくっと唾の飲み込む。


「そして残念ながら、俺たちノルンは少ない。単純な戦力となる人数は、オーディンはノルンの3、4倍…。」


「3、4倍…。」

司はその数を聞き、絶句する。


「ノルンは戦うことを強制しない。だから戦わないで隠れているだけの者もいる。」

レビが事情を説明する。


「それに対して、オーディンはほとんどが戦力化される。まあ最初に悪に入っちまえば、従うしかない。どっかの国みてーなもんだ。」

レビの言葉はどことなく寂げだった。


「ただノルンは一人一人の能力が強力です。数は少ないですが、戦況がなんとか均衡を保っているのもそのおかげです。」


「久しぶりに能力者をノルンで確保することができました…。司には、今日から私達と一緒に戦ってほしい。」

恵は司の目を真直ぐと見据えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ