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激臭うんこスプリンクラーのクソよりも臭いうんこな日常

作者: うんこ

初投稿です。よろしくお願いします。

僕には兄がいる。きっとまだ生きているはずである。


24歳でクソニート。

半年で大学を中退し、以来実家に引きこもっていた。

そんな彼の毎日は寂しいものであったと思う。

一日は眠りから覚めることで始まり、眠りにつくことで終わる。

そこに時間という概念はなく、彼にとって時の流れを感じさせるような継続的な変化があるとすれば、それは老いくらいのものである。

ただ老いと言ってもそれは肉体的な変化のみであり、精神的な成長は彼が10歳のときに止まっている。

また引きこもりの彼にとっては、肉体などはもはやとぐろを巻いた悪臭を放つ魂と、クソを内包するだけのゴミ袋に過ぎないため、その変化を読み取るだけの関心は向けられていないように思える。

彼の人生は6畳の部屋の中で完結しており、そこには未来も過去も存在しない。その意味を持たない繰り返しは、何かに生かされているように感じるほど無意味で、何千億光年先の星屑の塵以上に僕にとって価値のないもののように感じられた。


そんな無意味な繰り返しの中で、彼がしていることといえばインターネットを通じて自分と同じ境遇にあるうんこ達とお互いを慰めあうこと。もしくはテレビゲームくらいである。

まさに絵にかいたような二ート像である。

そんな蟻に踏まれて潰されても文句も言えないような彼のクソ人生を思うと悲観せずにはいられないが、さらに悲しいことが一つある。

彼はテレビゲームがとんでもなく下手なのだ。

その上クソほど時間があるのにも関わらず、ゲームの腕が全く上達が見られない。傘のから滴る雨粒にボタンを押させたほうが上手いレベルであった。

うんこ達と同じばかりか、それ以上の時間を費やしても、彼はいつまでも負け組のままなのだ。

悲しいことだ。


僕は弟として彼を近くで見てきたが、彼は日に日にうんこ臭くなっていると感じる。

うんこの中で負け犬なるというのはどんな気分だろうか。

こんな生活が続けばうんこ臭くなるのは仕方がないことだが、想像すると少しだけ胸が締め付けられる気分だった。

うんこ臭くなっているというのは実際にうんこを垂れ流しているからでもあるのだが、彼は自分がうんこを垂れ流しながら生きていることにおそらく気付いていない。

そればかりか、彼はよく暴れまわるものだから垂れ流しのうんこが彼の周りには散らばっているし、そんなうんこまみれの場所には誰も近づこうとしない。

昔は散らばったうんこを退かして、いつか彼を救い出す人が通るため両親が道を作っていた。

しかしそんな両親も今では、彼の作った底なしのうんこ沼にはまって身動きが取れなくなっている。

両親を助けてあげたい気持ちはあるが汚いので放っておくことにした。

それからというもの彼が撒き散らしたうんこは高く積み上がっていった。

うんこの壁はすぐ彼の周りを取り囲み、彼をその内部に閉じ込めてしまった。


いま彼がうんこ中で何をしているのか、それは僕にもわからない。

ただいまとなってわかったことが二つある。

それは彼がこれまでに生きてきた24年間は無意味ではなく、うんこになるというただ一つの意味を持っていたということ。

そして、それ以外の何でもなかったということだ。


ありがとうございました。

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