僕と銀髪とファミレスで
「――このハンバーグのBセットと、あとこのチキン南蛮と‥‥。」
近くのファミレスに来た僕とその銀髪少女はとりあえずお昼にしようという提案の元現在注文を頼んでいる最中であった。
「あとこのチョコレートいちごパフェっていうやつ?3つちょうだい。」
「3つも頼むの!?」
「あんた俺の母ちゃんみたいなこと言うな。じゃあ4つお願い。」
「‥‥あなたね。」
銀髪少女はコーヒーだけでいいらしくドリンクバーだけを注文した。
「‥んで、話ってなんだよ銀髪。」
僕は食後のパフェ3つを器用に食べながら銀髪少女に訪ねた。
「まず私の名前は轟井京。銀髪って名前じゃない。」
「轟井京たそね。おっけ僕はー‥‥あー徳田重男だ。」
僕はあえて偽名で答えた。なぜかと問われると多分今後の彼女の話に大きく関わってくるからだ。
「徳田重男ね。‥なんかかたっ苦しいからしげちーでいい?」
別にスタンドとか出さないんだが、まぁなんでもいいや。
「それで重男君さ‥。」
結局言わないのかよ。まぁなんでもいいや。
「天鳳第一の二年に四人剽軽って呼ばれる四人組がいるってほんと?」
やっぱりそのことか。
「あー‥まぁいるっちゃあいるかな‥僕はそのォ‥その四人と知り合いだし。」
僕がそのことを肯定すると京たその目がキラキラ輝いていた。
四人剽軽とは。
まぁ簡単に言うとこの街で前から有名な四バカカルテットだ。
なにせ俺から言わせれば四人のうち三人は幼稚園の頃から一向に知能が変わっていない。
というか幼稚園の頃から悪さばっかしてきた記憶しかない。
まぁその三人を除いて最後の一人はまともな方だ。というか何故唯一まともなおr‥その一人が含まれているのかわからないくらいまともだし、その四人剽軽と名付けた奴を見つけて顔面パンチをお見舞いしたいくらい腹立たしい。
「‥でその四人が君に何したんだ?」
僕はおそるおそるに彼女に訪ねた。
「ん?いや別に、ただわたし気になることがあったら納得するまで調べる質なの。それでわたしなりに少しだけだけど調べてきたの。」
「‥へ、へえ〜。」
なんか嫌な予感しかしないんだけど。
「まずその四人のうちの一人なんだけど、名前は伊達桜天鳳第一高校二年の17歳。えーと‥‥まず小学校4年生の夏、親が海外旅行中、父の車を勝手に運転し誤って民家に突っ込み大破炎上、裁判沙汰に。」
あいつそんなことしてたのかよ。てかなんでこの娘そんなことまで知ってんの。
「次に山田シルヴェスター・スタローン同じく天鳳第一高校17歳。えっと‥これは。」
「山田シルヴェスター・スタローン。親は二人共日本人だよ。だけど父親がロッキー好きでこいつが生まれるまで映画館でロッキーを観てたくらいな。」
「‥‥彼だけ顔写真を入手したんだけど‥。お世辞にもロッキーと似つかない体型ね。」
あぁなにせあいつは小学校から太ってたからな。
しまいには親からもらった大量のロッキーグッズや日頃の腹いせに兄や妹の金目な物をを全部売ってアニメのブルーレイやグッズに変えたのだから言葉のかけようもない。
「次に日影和輝同じく二年19歳。彼は二年留年してるのね。でもなんで二年なの?」
「三年に上がれるほど常識的知識がないから。」
「あぁなるほどね。」
それで納得しちゃうんだ‥。
「彼については‥なにこれ。」
京たその気持ちもわかる。多分こいつが一番頭の良い方法で一番頭悪いことをしてきたのだから。
「校長の車にゴキブリ約200匹を投入。その後カメムシ約3500匹入った大玉を全教室中に放ち激臭テロを行った主犯。この日は臭災の日として学校側は毎年その日は特別休校日とした。その後も彼は数々の悪行を残し‥ってなんでこんなことしたわけ?」
「この日は天鳳第一高校10周年祭で日曜日なのに登校させられたんだよ。」
「でもだったらあなたみたいに勝手に休めばよかったんじゃ‥‥。」
「日影はその10周年記念祭の実行委員だったんだよ。」
「あー‥それでそのくす玉で‥。」
勘がよろしいことで。
さて、ここからが問題だ。
「それで最後にこの人。この人に関してはあんまり情報がないね‥。」
当たり前だ。僕はいわゆる風評被害というやつでこの三人組の中に入れられている。
「‥この人、女子生徒にセクハラ未遂って‥。」
「待て待て!!あれは誤解というやつで‥。」
「ん?何故あなたが否定するの?」
「あー‥‥いや、続けて。」
どうやらそうとうなことが書かれているらしい。
「‥‥‥ふーんこの人言っちゃ悪いけど相当の変態ね。」
「ブバッ‥!」
思わずパフェのクリームを吐き出してしまった。
「二股、女子生徒の下着窃盗、盗撮に覗きその他セクハラまがいの数々‥。」
「‥‥ていうかさ、あんたのそれ、誰がまとめたんだ?」
「貰ったの。」
「貰った?誰に??」
「それは秘密。それでえっとー彼の名は‥‥。」
「おーい悠介ぇ‥ここにいたかぁ。」
ギクッ‥この声、まったく嫌なタイミングでよう‥‥。
「悠介‥?悠介ってこのレポートに‥。」
京たそが俺に疑心の目を向けた。
「あなた‥まさか。」
「おうやっぱし悠介だ。はよう河川敷に行こうぜ、じゃないとまた遊佐の先生が和輝を半殺しにしちまう‥‥誰だこの女?」
「‥‥伊達桜?」
そう震え声で彼女は彼に向かって指をさした。
「おう、なんだこいつ俺のファンか?」
僕は無視してゆっくりと足を通路側に向ける。
彼女がすべてを察したかのような顔で俺に指をさす。
「悠介悠介‥!」
「ごっそさん京ちゃん!」
僕は彼女にそう言い残すと桜を置きざりにし颯爽と扉をぶち壊す勢いで走って飛び出し逃げた。
後ろから轟井京と思わしき声が聞こえたが僕は何も考えず走った。
それと店長らしき人に伊達桜らしき人物が背負投されている光景がチラッと写りこんだが僕は走った。
とりあえず家に帰ってアニメ見よ。