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エルフの国へ向かって

この大陸は中央に世界樹がそびえ、東側に人間の国、西側にエルフの国がある。人間の国とエルフの国、どちらに向かうべき気だろうか?


「当然、ここはエルフの国を目指すしかない。エルフといえば超美人。エルフのお姉さんやエルフの少女やエルフの幼女が国を作っているなんて天国としか思えないぜ・・・」


俺は、熱い思いを呟きながらエルフの国に向かった。2、3時間歩き、俺は自分の体の変化に気がついた。


「ぜんぜん、疲れない!」


この持続力、回復力は首に咲く朝顔の効果だろう。このペースで夜通し歩けば、明日の朝にはエルフの国に着く。俺はエルフ達が待つ夢の国に!俺は、夢の国に向かい休むことなく歩き続けた。

日が傾き始めるころには山道に入った。ここからしばらくは山道が続く。一般人には厳しい山道も、チートで体力増強されている俺には障害にすらならない。疲れ知らずの俺が歩き続けると、日は沈み辺りは闇に包まれた。


「アオーーーーン・・・」


オオカミだろうか?どこかで遠吠えが聞こえる。明かりは木々の間から差し込む、わずかな月明かりしかない。暗闇が恐怖を増幅していく。


「アオーーン・・・」

「アオーン・・・」


いくつもの遠吠えが徐々に近づいてきている。周囲を囲まれていようだ。逃げ場は無い。俺は世界樹の枝を剣のように構えた。

ザザッ・・・周囲の草むらから微かに物音が聞こえた瞬間、大型犬サイズの狼が飛びかかってきた。


グサッ!


完全に偶然だった。俺が闇雲に突いた世界樹の枝に狼が突き刺さる。手応えもなく枝は狼を串刺しに貫いた。世界樹の枝は予想以上の攻撃力だ。


「グルルルル・・・」


周囲の草むらから更に2頭の狼が現われ、牙を剥いて威嚇している。俺は世界樹の枝の攻撃力を信じて、右側の狼に向かって突きを繰り出す。だが、偶然が何度も続く訳もなく、狼は突きを難なくかわし再び俺に飛びかかってきた。俺は避けることも、枝で防ぐことも出来ずに1頭に喉、もう1頭に腹部を噛みつかれ、地面に仰向きに倒れた。


「ギャー!痛い!痛いよ!」


死ぬほど痛い!喉を噛まれ息が出来ず、お腹からは大事なものが食い破られた感触がする。少し食べられてしまったよだ。

死ぬほど痛い・・・だが、死んでいない。痛みで気が狂いそうだが意識もある。俺は必死に腕を動かし、世界樹の枝で喉に噛みつく狼を貫いた。組みつかれていれば、素人の俺でも外さない。続いて腹部に食いつく狼も、枝を突き刺し絶命させた。


「ハア、ハア、ハア・・・倒した・・・」


俺は荒い息を落ち着かせながら、恐る恐る自分の怪我状態を確認した。全身が自分と狼の血でまみれている。血まみれの破れた服をまくり上げ、狼に食べられた腹部を確認する。


「あれ?」


見るも無残に、食い破られたはずの腹部は傷一つ無い。慌てて、喉を手で確認するが空いているはずの大穴がどこにも無い。まさかと思いながらも、世界樹の枝で指を少し傷つけてみた。傷は一瞬の内に跡形もなく消えさった。


ユグがくれたチートは、狼に食べられた内臓を再生するほどの自己再生能力があるようだ。ユグは確かに「おまけ効果で怪我の治りが早くなります」と言っていた。では、このチートの真の能力「精力絶倫」は、どれほどの力を秘めているのだろうか?

一刻も早く確かめる必要がある。できればエルフで確かめたい!俺はエルフの国へ急ぎ向かった。

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