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流れ星に願いを

俺の名前は千葉春斗、ごく普通の高校生だ。

16歳で彼女いない歴16年だが、今のとことは多数派だと信じている・・・

ファンタジー物の小説やゲームが大好き。いつか自分も異世界で大冒険!という夢を持っている。夢は大きいほうがいいし、少年の心を忘れない男は、女性にモテるらしいから今から楽しみだ。


今日も1日中ゲームで遊び、気がつけば夜中になっていた。

ふと自室の窓から夜空を見上げると今日はやけに星が多い。こんなに多かったかな?と疑問に思った瞬間、流れ星が光の尾を引いた。


「異世界に行きたい!異世界に行きたい!異世界に行きたい!」


俺は流れ星に願い事を唱えた。少年時代から、何度も唱えた願い事だ。条件反射で言葉がでる。


流れ星は、まだ消えていない。

再び、「異世界に行きたい!」心の底から願った。


夢でも見ているのだろうか?願い事を唱えるたびに流れ星が近づいてくる。

「異世界に行きたい!」夢中で願い事を唱えると、さらに流れ星は接近し、

「異世界に行きたい!」何十回目かの願い事を唱え終えると、俺は流れ星の強い光の中に包まれ意識を失った。



・・・ハッと意識を取り戻した俺の前に、驚いた表情を浮かべる1人の女が立っている。

20歳くらいの人間離れした美人だ。緑色のロングヘアーは蔦のようにうねり、所々で花が咲いている。そして彼女の右腕は肩から先が無い隻腕だった。


しばらく、無言で見つめ合うが、


「あ、あ、わわ、あわ、あわあわ・・・」


彼女は「あわあわ」言い始め、唐突に俺に抱きついてきた。至近距離で見る彼女の顔は、この世のものとは思えない美しさだ。ここが天国で彼女が女神や天使を言われても信じるだろう。彼女は俺の腕の中でニッコリと微笑みながら、


「あ、あ、あの・・・私の・・・私の家族になって下さい・・・」


夢にまで見た、俺の異世界トリップは、予想以上にラブコメだった・・・

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