アリアたち、別室に隔離される
アリア、カトリーナ、サーラ、リュークの4人とネコは1室に連行された。
「カメリア先生、大丈夫かなぁ」
アリアがポツリと呟いた。
「ジョン先生がついていらっしゃるし、大丈夫よ。それに、ああいうことはあるあるでしてよ」
カトリーナは明るい声で言った。
「やっぱり、呼び出しだよね……」
「そうね」
アリアは大きなため息をついた。
アリアは初級魔術師研修のときの出来事を思い出していた。
あの時はロジーナを本気で怒らせてしまい、大変な目にあった。
今回こそは絶対にトラブルを起こさないように念をおされていたのに、やらかしてしまった。
またロジーナを困らせてしまうかと思うと、申し訳なくて泣きたい気分だ。
「ごめんなさい。私のせいです」
ネコを膝にのせたサーナは声を震わせる。
「おめぇらは関係ねぇ。オレっちのせいだから、気にすんなって」
リュークが手を振りながら言った。
「でも、私がミーアを連れてこなければ……」
「ネコなんて、連れて来なくったって、その辺にウロウロしてるだろ」
リュークは慰めるようにサーナの顔を覗き込む。
サーナは下を向いたまま、鼻をすすりだした。
「いーよ、いーよ、オレがその辺のネコをとっ捕まえて遊んでたことにすりゃーいい。おめぇらはたまたま居合わせたっつうことでよ」
「そういうわけにはまいりませんわ」
カトリーナが語気を強める。
「いーよ、いーよ。オレっちが師匠にドヤされるのは、いつものことだからよ」
リュークはそういうと手を頭の上で組み、大きく伸びをした。
「リュークくん。それはダメだよ。どちらかと言えばリュークくんのが巻き込まれた感じだし。私があんなにビックリしなかったら、ミーアは逃げ出さなかったと思うし……」
アリアはリュークをじっと見つめて言った。
「誰か一人のせいではありませんわ。みんなのせいですわ。ここは潔くあやまるのがベスト。嘘ついてごまかしても絶対に見破られるはずですわ」
カトリーナの言葉にアリアは頷いた。
「そうだよね。お師匠様に隠し事なんてムリな気がする」
「確かに、バレたときのがやべーな……」
リュークがぼそっと言った。
「ですね」
サーナはうなだれる。
「まぁ、とにかく、なんだな。みんなで謝りたおせばなんとかなるだろ」
リュークは暗い雰囲気を吹き飛ばすように明るく言った。
「リュークさんのおっしゃる通りですわ。真摯に謝ればなんとかなりますわ」
カトリーナもニッコリしながら同意する。
「そうだよね。謝るしかないよね……」
「はい……」
アリアとサーナは暗い表情のままだった。




