アリア、食堂で昼食を食べる
アリアたちは午前の講義を終え、食堂に来ていた。
今日のメニューはカレーライスだ。
サーナはスプーンでぐちゃぐちゃと音をさせながら、ごはんとルーを混ぜ出した。
「サーナちゃん、ちょっと汚くてよ」
カトリーナが眉間にシワをよせた。
「まんべんなく混ぜた方が美味しいです」
サーナは熱心に混ぜている。
「アリアちゃん、あなたからもなんとか言って」
アリアは困った。
アリアにはサーナの食べ方があまり気にならなかったからだ。
正直なところ、カレーライスは混ぜても混ぜなくても好きなように食べればいいと思っている。
とはいえ、どちらかの一方の肩を持つのもなんとなく気まずい。
どうしたものかと辺りをキョロキョロ見回した。
と、立ち上がったリュークを見つけた。
リュークは口にスプーンを咥えたまま、お皿を持ってカウンターへと歩き出す。
おそらく、おかわりでもしに行くのだろう。
「あれよりかはマシだと思う……」
アリアはリュークを指さして、小声で言った。
カトリーナはリュークの姿をみて、唖然としたように目を見開いた。
「まぁ、なんてお行儀の悪い……」
「鬼カルロスのとこはあんなんばっかだよ」
アリアはそう言うと、カレーライスを食べはじめた。
サーナはまんべんなく混ざったカレーライスをながめ「よし」と頷くと一口食べる。
「やっぱり、きちんと混ぜると美味しいです」
サーナは満足そうな笑みを浮かべた。




