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ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
中級魔術師編
79/100

アリア、講堂に行く

登場人物紹介(追加)


リューク・・・中級魔術師。カルロスの弟子

サーラム弁護士・・・魔術師協会顧問弁護士

カメリア女史・・・礼儀作法の講師

ジョン医師・・・魔術師協会専属医師

受講生たちは講堂にぞくぞくと集まってきた。


アリアはキョロキョロと講堂内を見渡す。

「カトリーナちゃんっ」

見事なブロンドを見つけ、思いっきり手を振った。


「良かったぁ」

カトリーナが小走りにやってくると、アリアとサーナと手をつないだ。

「三人そろったわね」

にっこり笑うと、適当な席に座ろうとする。


「よっ。アリアっち」

声をかけられてアリアは振り向く。

カルロスの弟子のリュークが右手を上げてこっちに来るところだった。

リュークはアリアと同じく中級魔術師試験を受け、合格したのだ。


アリアはにっこりと微笑むと右手を上げた。


パンっ


二人の掌がぶつかり、軽快な音が鳴った。

リュークはニヤリとすると、そのまま向こうへ行ってしまった。


「アリアちゃん。なんか今のカッコイイです」

「憧れだわ~」

サーナとカトリーナが目をキラキラさせる。

「そっかなぁ~」

アリアは照れくさそうに微笑んだ。


「アリアちゃん、いつもああいうご挨拶をなさってますの? 」

座りながらカトリーナが言った。

「ううん。鬼カルロスのとこでだけだよ」

アリアは説明をする。

「鬼カルロスって、あのカルロス先生?」

カトリーナが身を乗り出す。

「カトリーナちゃん、鬼カルロス知ってるの?」

「知ってるもなにも……。有名人でしてよ。ねぇ、サーナちゃん」

「ごめんなさい。私、他所よそのことあまり知らないのです」

サーナは申し訳なさそうに視線を落とす。

「あ、お気になさらないで」

カトリーナはサーナにそう言うと、再びアリアの方を見る。

「アリアちゃんってカルロス先生の所にも通ってらっしゃるの? 」

「うん。お師匠様が通いなさいって……」

「羨ましいわ~。カルロス先生、素敵ですものね」

カトリーナは机に両肘をつき、両手の指を組んだ上に顎をのせ、うっとりした様子でいった。

「え? どこが? あの人は鬼だよ、鬼。すっごぉぉく意地悪だし、声でかいし、なんかごついし……」

アリアは顔を思いっきりしかめる。

「そうなんですの? そんな風には見えませんわ」

カトリーナは小首をかしげた。



三人がおしゃべり花を咲かせているうちに、職員らしき人がやって来て、資料を配りだした。

アリアたちはそれをうけとると、さっそく中身を確認しはじめた。


ベルが鳴った。


講堂内は静かになった。


扉が開き、コーネリアを先頭に人がぞろぞろと入ってきた。


「みなさん、こんにちは。本日から中級魔術師認定研修会がはじまります。開催にあたりまして……」

挨拶とともに、日程や注意事項の説明がはじまった。

みな、真剣に聞いている。


「では、これから講師の先生方を紹介いたしたします」

コーネリアがそう言うと、三人の人物が真ん中に立った。


「法学を担当する、サーラム弁護士」

長い鬚をたくわえた年配の男性が講堂内を見回してお辞儀をする。


「礼儀作法を担当する、カメリア女史」

ブロンドの髪をぴっちりと後ろでまとめ上げ、黒いハイネックの衣服に身を包んだ女性が、優雅にお辞儀をした。


「医学を担当する、ジョン医師」

白衣を着たプラチナブロンドの若い男性がにっこりと微笑んでお辞儀をする。

琥珀色の瞳が印象的だ。


他にも数名の講師が紹介された。


「では、さっそくですが、この後、休憩をはさんで、講義に入ります。10分後に開始いたします」

コーネリアはそう説明すると、一礼をし、講師らとともに退出していった。


「初日からスケジュールびっしり……」

アリアはシラバスを開きながら呟いた。

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