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ロジーナ弟子をとる  作者: 岸野果絵
初級魔術師編
49/102

ロジーナ、忘年会に出席する

 受付をすませると、ロジーナはクレメンスたちと別れた。

「お師匠様?」

アリアが首をかしげる。

「別枠よ、別枠。グルーミングは願い下げ」

ロジーナは不思議そうな顔をするアリアのリボンの形を整えてやる。

アリアは腰に大きなリボンのついたドレスを着ていた。

「うん。やっぱり、かわいいわね。花の妖精さん、今日はちゃんとレディでいてちょうだいよ」

明るく淡いピンク色はアリアによく似合っていた。

「はい」

アリアは緊張した面持ちで返事をした。


今日は魔術師協会主催の忘年会だ。

アリアはこんなに大きなパーティに出席するのははじめてだった。



 会場内はきらびやかな衣装に身を包んだ人々であふれかえっていた。

「うわぁ」

アリアは口をポカンと開けて、辺りを見回す。

「ちょっとアリア、危ないから、しっかり歩きなさい」

ロジーナは小声でアリアを叱る。

アリアにはまるで聞こえていないようだった。

「まったく……」

ロジーナはアリアを引きずるようにして、壁際の目だたない場所を陣取った。


アリアは相変わらす場内をキョロキョロ見渡している。

ロジーナは軽くため息をついた。

「あ」

アリアがいきなり手を振った。

視線の先には、深緑色のマーメイドドレスを身にまとったコーネリアがいた。

コーネリアもアリアに気がついたようで、小さく手をふった。

上品な光沢のある布地は、コーネリアが動くたびに、光を反射してキラキラと輝いている。


コーネリアは豊かなブロンドの髪を揺らしながら、こちらに向かってきた。

「コーネリア先生、きれい……」

奥深い森林を思わせるような深緑と、輝くようなブロンドの見事なコントラストに、アリアはうっとりとつぶやいた。


「ロジーナちゃん、アリアちゃん、こんばんは~」

コーネリアが近くに来たとたん、辺りがパアッと明るくなったような気がした。

「コーネリア、今日は一段と綺麗ね」

ロジーナはニッコリ笑い、アリアはペコリとお辞儀する。


「今年も来ないんじゃないかと心配してたのよ~」

コーネリアの言葉に、ロジーナは曖昧な笑みを浮かべる。

「そうしたかったんだけど、そうもいかないでしょ……」

ロジーナは少し不満げに視線を落とす。

「うふふ。私はとっても嬉しいわぁ~。今日のロジーナちゃん、とっても素敵よ~。ねぇアリアちゃん」

コーネリアはニコニコしながらロジーナを眺める。

普段は機能重視の地味な服しか着ないロジーナだったが、今日はきちんと髪を結いあげ、紫紺色のエンパイアドレスに身を包んでいた。

「はい。お師匠様が一番きれいですぅ」

アリアはすこし甘えた声をだす。

ロジーナは眉間にしわを寄せた。

濃紺に少し紫がっかた色はロジーナの白い肌を際立たせ、神秘的にみせていた。

「まるで仮装行列。動きにくくって」

ロジーナは視線を逸らし、吐き捨てるように言った。

「相変わらず照れ屋さんなんだからぁ~」

コーネリアとアリアはクスクス笑う。


「お腹すいた。料理とってくるね」

ロジーナは突然そういうと、軽食の並んでいるテーブルの方へ歩き出した。

「あ、私もお腹すきましたぁ」

アリアが慌てて後を追う。

「もう、ロジーナちゃんたら、すぅぐ話逸らすんだから~」

コーネリアはクスッと笑うと、二人の後を追った。


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